第6話『夕食にしよう!』


 その日、彼女は木のイス×2、木のテーブル×1、木のベッド×1を作り終わった。

 彼女はいったん、家に戻り、布団を持ってきてくれた。木のベッドに布団ぶとん、そして布団ぶとんく。


「何から何まで、ありがとう」

「クロウ様に、地べたに寝かせる訳にはいかないですからね。さて、夕食にしますか」

「1匹しか、魚がとれなかった。すまない」

 

 彼女が家具かぐを作っている間、俺は川で魚釣さかなつりをしていた。だが、1匹しかとれなかったのだ。


素晴すばらしいです! クロウ様、1匹でもれたんです! 良かったじゃないですか!」

「そうか?」

「はい、もっとポジティブになりましょう!」

「そうだな」


 彼女は優しいし、明るいな。オジサン、安心したし、やされるよ。

 俺の家には、ないものが多いので。

 ルチアの家で食事を作る事になった。

 彼女は食事を作る、俺も、もちろん手伝う。彼女の家から持ってきた、野菜を切っていく。


「クロウ様、上手ですよ」

「はは、下手くそだぞ?」


 1人暮らしをしていたので、少しは自炊じすいができる。

 俺は、失敗しないよう、ゆっくり丁寧ていねいに野菜を切っていく。

 

 

 料理が出来た。

 

 出来た料理をテーブルにのせていく。

 俺とルチアはイスに座る。

 

 俺は手と手を合わせる。


「いただきます!」

「はい、いただいて下さい!」


 野菜炒め、野菜のスープ、ラビット焼き、パンであった。


「美味しい!」

「良かった!」


 俺は、パクパク、野菜炒やらいいためを食べる。

 なぜだか、俺が作る野菜炒めより100倍、おいしい。

 ルチアは優しげな表情で俺を見つめる。なんか、ルチアが天使に見えるな。


「クロウ様」

「何だ?」

「明日、弓使ゆみつかいと戦士せんしを仲間にして見てはどうですか?」

「弓使いと戦士か?」

「そうです。弓使いはエルフのミドエルくんです。とっても綺麗な美少年なんです」

「へぇ~、そんな子がいるんだ」

 

 さすがは異世界、エルフがいるんだな。

 美少年エルフ、ちょっと気になるな。

 

「戦士はロズリナさんです。とっても強くて美人で、カッコイイ女性なんです。彼女が男性だったら、間違いなくれちゃいます」


 おお、美女戦士か。断然だんぜん、興味がある。


「ロズリナか。覚えとく」


 よし、明日にでも会いに行くか。できたら、仲間にしたい。




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真地九郞さん、魔導浮遊島の島王になる ココ異世界 @kokoisekai

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