わたしがかんがえたさいきょうのおおそうじ
千尋は諦めてベッドに寝転んだ。この部屋には物が多すぎる。
ルームメイトかつ『偉大なる後輩様』の楓には「少しは物を捨ててください!」と常日頃から怒られてはいるが、そもそも捨てなきゃいけないような物を買う時点で間違っているのだ。
私は必要な物しか買ってない。なので、この部屋には必要な物しかない。よって、何一つ捨てる理由はない。証明終了。大掃除終了。
「……とは言うものの」
床の上に衣類や書籍や作りかけの
このままだと楓に怒られるのは明白だ。どんなに整然と組み上げられた理論も、彼女の怒りには歯が立たない。
「せめて床が見えるくらいにはしておくか……」
千尋はやおら体を起こす。まずは書籍を本棚に詰めることから始めることにした。手始めに部屋のあちこちで
千尋はふたたびベッドに寝転がった。何もかも面倒くさくなった。乱雑な床を漁ると、Awazon超お急ぎ便の箱が出てきた。開封する。千尋の目が爛々と輝いた。
「いいモノがあるじゃないか」
火炎放射器だ。そうだ、全部焼き払えば良いのだ。
早速スイッチを入れようとする。その瞬間に楓のドロップキックが千尋に炸裂した。
「アホか!」
楓の目が、吊り上がっていた。
結局、楓の監視の元、除夜の鐘が鳴り終わるまで掃除は続いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます