La Beach
ビーチ中の視線が、晴奈に集まった。
大樽ドリームビーチの海水浴客は、平日の夕方ということもありまばらではあったが、全員が晴奈の方を見た。
ある者は弛みきった顔で晴奈を見つめ、ある者は顔を赤らめてすぐに視線を逸らした。
何かおかしなことでもしてるのだろうか、と晴奈は思った。普通に泳ごうとしているだけである。もしかしたら、女が1人で海水浴をすることが、こちらでは珍しいのかもしれないと思った。
晴奈が、離島から北海道の高校に進学してから3ヶ月が経っていた。島とそれ以外の場所だと、同じ日本であるにも関わらず、思った以上に文化の違いがあると感じていた。島にいたときは、しょっちゅう1人で海に潜っていたものだが、こちらの女性はそういうことをしないらしい。
「晴奈ちゃぁぁぁぁぁん!」
晴奈が海に入ろうとすると、遠くから声が聞こえた。こちらで出来た友人の
来美は、箱を引き裂くように開ける。中から、水着が出てきた。
「晴奈ちゃん! 全裸で海水浴したらダメだよ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます