第2話 黒月という娘
世界の果てと呼ばれる生態系の場所。
あらゆる希少な薬草や鉱石。
あらゆる強者を屠る凶悪な魔物達が跋扈するなかで、一人の美しい少女がいた。
「お父さんの好きなアップルパイを作りましょうね」
鈴を鳴るかのような優しい声に長い黒髪。天女のような美しさを持つ、凛とした金色の瞳を持つ白い肌の少女
。身長は160センチ。可憐な雰囲気に淡色の桃色の着物。腰に下げるのは黒い鞘に収まる刀。
黒色の手甲に赤い草履。
「…あの幼子が15年も経てば美少女になるたあ、びっくらこくわなあ」
「あら!黒龍のオジサマ!こんにちわ!」
「あとにも先にもそんな挨拶をするのはお前くらいだなあ」
目の前に現れた巨大な黒い鱗の龍は楽しげに笑った。
「んで、今日も父ちゃんにアップルパイか」
人化して隣に歩く黒龍…見た目は30代前半のスキンヘッドで黒いジャケットとシャツに黒のカーゴパンツと黒いブーツ。どこか傭兵みたいな雰囲気の男だ。
「お父さんはアップルパイ大好きだからね」
少女はにこやかに笑う。
深い森を軽やかに歩きながら
目的の赤いリンゴをもいでいった
悪魔の鍛冶師の御令嬢 シンゴペンギン🐧 @ganjisu14
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