もしもし、僕だよ
@mpi
見
ブー 、ブー 、
だれだ、今の時間に電話なんて。
あー、080 ×××× ××××?
誰だこれ?まあ取るか。
「もしもし、僕だよ」
「誰だ?詐欺なら切るぞ」
「僕のこと覚えてないのか?佐藤だよ、佐藤陽向」
「っ!? ど、どうした?こんな夜中に」
「はは、驚きすぎだよ。まぁ、君には色々世話になったからね。それで本題なんだけど、今すぐ×××××××××××に来てくれないかな」
「お、おう分かったぜ、30分後には来れると思う」
プー 、プー 、
取り敢えず、行けば良いんだ。急いで行こう。
つ、着いた。
走ってきたから流石に疲れたな。
このアパートに居るのか。
「来たぞ」
……
「以外と早かったね、開けて良いよ」
ドアを開けて、リビングに入る。
「っ、お前! 何してるんだ!」
目の前には台に乗り、吊られた縄の輪に首を入れている佐藤の姿がある。
止めようと思ったが、俺は一歩も足が出なかった。
息が苦しい、と、止めないと。
そう思っても足は出ないままだ。
「今まで、本当に世話になったよ。この足を見ろよ、義足だろ。この身体中の傷痕とか痣をみろよ。これ、全部お前がやったんだぜ?」
「な、なぁ佐藤。そ、それよりこの、この死体はなんだよ。ま、まさかお前がやった訳じゃないよな?」
「僕が殺ったに決まってるだろう。本当は君の目の前で一人ずつ首を切り落としたかったよ。」
今の佐藤は異常だ。
少なくとも学生時代の俺の数倍は。
俺はあのとき何をしていたんだ、
「おい、本当にやるのかよ。やめろよ、怖いんだよ今のお前は」
「僕からしたら君が僕に今まで当たり前のようにこんなことをしていたことの方が何倍も何倍も怖いんだだから僕は耐えきれなかった憎かった殺したかっただからこうした、僕にやってきた奴は全員殺した。綾瀬も白木も坂口もな。僕はもう気が晴れたから君は殺さないであげる」
最後の"それ"を残して、佐藤は首を吊った。
さっきの彼には恐怖は無かっただろう。
「ほ、ほ、ホントに逝っちゃったよ、……、どど、どうしよう。通報する?いや、そんな勇気はない。」
「あ、そうだ。恐怖から解放されよう、良い道具がここにあるじゃないか」
佐藤が殺した"奴ら"には手に穴が空いていて、爪が全て剥がされ、皮がズタボロになっているもの。
身体中全体に釘で空けたような穴があるもの。
目玉が潰され輪切りになっているものがある。
その時の彼は狂気でしかなかっただろう。
自分がされた以上の恐怖を植え付けて殺したのだ。
もしもし、僕だよ @mpi
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