第2話 友情の結び方

早めに起きて正解だった、制服のネクタイの閉め方がわからない。

「動画を見てもよくわからない…なんでボタンで止めるやつじゃないんだ…?」

と慌てていると紫亜先輩がノックをして部屋に入ってきた。

『あ、起きてたんだねよかった。もしかしてネクタイが結べない?』

「あ、はい実は。動画を見てもわからなくって」

『貸して僕がやるよ。』

先輩は慣れた手つきで私のネクタイを結んでくれた、それも綺麗よく見栄えがとても良い。

『できたよ、ネクタイって慣れてないと無理だよね。僕は結ぶのがけだるくってループタイにしたんだ』

そうネクタイに愚痴をこぼしながらなれた手つきでネクタイを結んでいった。

鏡で見るととても綺麗に結ばれていた。

『まだ時間あるし学校を案内するよ、先生達からは教えてくれないこともね』

「はい!」

授業が始まる前に少しだけ散歩をすることになった、中庭には二、三人の生徒が花に水をあげていたり朝のマラソンをしている生徒もちらほら、自由にいる。



少し歩いた先に茂みに隠された扉があった。

『ここは先輩達が学校に秘密で作ったんだ』

中に入ると花が数多くあり木陰になるとこやガゼボがある。ここだけ別世界のような雰囲気を感じる。

「すごい…」

『ここで時々お茶会をしているんだ、主催はお嬢様が多いかな。必ず僕たちも誘われるんだ』

「え、そうなんですか」

『でもおしゃべりや勉強会とかも多いいかな、そんなに緊張しなくっていいんだよ』

少しだけガゼボに座ってみた、ちょうどいい暖かい気温で心地いい。

『昔もよく先輩たちとここで話したよ、懐かしいなぁ…次は僕か…』

少し悲しそうな顔をした先輩、また先輩の先輩達とお茶会したいのかな。

なんて思っていると先輩は胸ポケットから時計を出して時間をかくにんした。どうやらそろそろ現実世界に戻らないといけないようだ。

『そろそろ教室に向かおう、また昼休みに中庭で会おう紹介したい人も沢山いるし初めての授業の話を聞きたいしね』

「はい、わかりました!」

学校は戻るといつものような生徒たちが歩いており、お話したり教室へ向かっている人もいた。

『一年生の塔はここがメインだよ、理科室や体育館はあっち』

「広いから覚えるのに時間かかりそうですね」

『そうだね、けど一年生がキョロキョロしてたら小動物に見えて先輩達全員鷹のように助けに来るから大丈夫だよ!』

ニッコニコで先輩のアンサーが帰ってきた、確かにわかりやすいがそれ私たち獲物…

『おい紫亜!!』

後ろから厳しい声が響いた、昨日校長室に集まっていた人たちの中にいた目つきが怖く紫亜先輩に厳しいことを言っていたイケメンな先輩だった。

『どこにいっていたんだ!探したぞ!』

『ごめんごm』

『委員会活動を忘れるとはいい度胸だな!!それで薔薇が枯れて怒られても知らないぞ!!』

『ごめんほんとに忘れてたよ』

「紫亜先輩のお友達ですか?」

『うーん同じクラスってだけの関係かな』

『あと委員会だろ』

仲はあまり良くなさそうだが喧嘩するほど仲がいいって言葉がよく似合う人たち。

『あと少しで授業始まるから教室にもどろっか』

「はいそれではまたお昼休みに」





『紫亜、あの一年とどこにいってたんだ』

『うん?あーあの秘密の庭園だよ』

『まだ、引きずってるのか…』

『いや"あの先輩"に似てる僕はいつかあぁなるから最後までできることを考えてるだけだよ、変?』

『……死なないでよ紫亜』

『うん、わかってるよ』







I-Iクラス

『これから初の授業を始めるぞ!』

まぁ気づいてたよ、知ってたよ。このクラスで男装してるの私だけなんだけど?!

なんで?他にもいるじゃん前の席にいるショートヘアーの人とか背の高い人とか!!なんで私だけなの!

【あの子最初の頃は女の子らしかったのに】【髪型とメイクをしたらあんなになるなんて】【すごいわね】

うーん、生きた心地がしないよぉ。

「大丈夫?」

「ふぇ…?」

隣にいた百合のような女って言葉がよく似合う顔立ちの子が話しかけてきてくれた。

「えっと、うんごめんね大丈夫だよ」

「貴方、元から美形だったけど男装でもそれが活かせてるなんてさすがね」

「び、え?」

これは褒めてるのか?皮肉なのか?

「私も男装したかったな」

「え、あ、でも二年生でもワンチャン慣れるらしいよ!えっと…」

「私は小白、二階堂小白」

「小白さんだね!私は高峰燈火、小白さんならなれると思うよ、もし私が推薦できたら小白さん推薦したいなーだってとても綺麗だもん」

と褒めると、彼女は優しく微笑んだ。

初めての友達が同じクラスの綺麗な人で本当に良かった。





なんやかんやで一時間目が終わってしまった、やはり数学はあまり好きではない。

そして次は理科、なんで理系が並んでるんだよ…

理系でもないし文系でもないし。私はどっちなんだ?

「小白さん一緒に理科室まで行こ!」

「1人だと迷子になるから?」

「うん!」

「正直ね、いいよ」

2号館の下にある理科室に行くには中庭を通っていく必要がある。

「おー、男装してる人結構いるんだ…」

「なのに私たちのクラスは貴方だけなんて不思議ね」

「なんでだろうな……ほんと」

小白さんの方が身長は高めだし顔もよく整っている、仕草や言葉遣いもなっているのに。なんで選ばれなかったのだろう…

「今後大変になるわよ、あなたがクラスに入る前に狙っている女子生徒がファンクラブ作ってたわ」

「え?!もぉ?!」

「それほどあなたが魅力的なのよ」

と言うと、小白さんがつけている同じリボン付きのクリップをくれた。

赤色でちっちゃく可愛らしい物を。

「これは?」

「友達になってくれたお礼、それとファン1号は私と言う印」

「小白さんもファンクラブに入ってたの?!」

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ドレスコード・ボーイズ 黒蛾骸彦 @Kurogakarahiko0326

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