ドレスコード・ボーイズ
黒蛾骸彦
第1話 出会いの日
これは、わたしが悪夢を見る前の話し。
お嬢様学校で有名な雪華女子学園に入学することが決まった高峰燈火と申します!
勉強を頑張った甲斐があった!
可愛い制服、自由な授業内容、そしてヨーロッパ風の素敵な校舎!至る所に花が咲いていてとても優雅。
「よし、これから頑張るぞ……あれ、男の子?」
校舎案内をしてる人たちの中に凛々しい美形な男の子がいた、制服も私たちや先輩たちと違う。なんでいるんだろ。
『あの人が気になるの?』
「え…?」
後ろから声をかけられたかと思ば、また美形な男の子だった。
「お、男の子?でもなんで女子校なはずなのに」
『あぁ、聞かされてないんだね。まったく校長先生は入学説明会でこう言う話を一切しないからこうなるんだ。安心してあの人は女の人だ、そして僕もね』
「男装ってことですか?でもなんで?」
『それは…』
理由を教えてもらおうとしたら鐘がなり教師たちが体育館への移動を急がせた。
『早く行きなさい、またいつか会おう』
「は、はい。」
言い残してわたしは急いで向かった。
『いっちゃった』
『彼女となんの話をしてたんだ?』
『あぁ、君の男装を見て驚いてたよ。もう少しレベルを下げたらどうだ?微笑むとか』
『わたしの知ってる男はこうだったんだが…違うのか?』
『うーん、そんなことより僕たちの仕事をしよう』
『先輩達、候補名簿がスカスカじゃないですか!早くしないと校長先生来ちゃいますよ!!』
『あはは、ごめんごめん』
あれから入学式が終わってクラスが発表された、あの男装してた経緯を聞かされるのか不安になった。
やはりクラスは女の子しかいない、不思議な規則があるのものだなぁ。
『おはよう諸君、これから1-1組の担任になる綾瀬八重子だ。何か不安なことがあったらなんでも聞いてくれ』
『先生、先ほど男の方が何人かいたのですが。あの方々は何者なのですか?』
気になっていたことを他の子が聞いてくれた!
『あぁ、そのことだがな彼らは女だから安心してくれ。彼らがいる理由は詳しくは言えないが君たちのためのことだから安心してくれ。』
【じゃぁ、あの人たちと校庭や廊下出会えるってこと?】【美形しかいなかったら目のやり場に困るかもね】【やだやめてよ!】
クラスが一気にざわざわした、私たちのためか。一体なんのことだろう。あれは希望性なのか?それとも推薦?もしかして家柄がいいとこだけ特別対応とか?!そんな格差がある学校ではないから違うな。。
そんなこんなして10分休憩の時間になった、あとは校舎探索や教科書配布で終わる、話し相手もまだいないから窓の外に広がる校舎や花を見て時間を潰そうと思ったら。
『君が高峰燈火さん?すこし一緒に来てくれ』
入学式そうそう先生に呼び出されるとは、緊張してしまう。別棟への移動中別クラスの子達も先生に呼ばれていた、2人や多くて6人の女の子たちが呼ばれて行った。みんな不安な顔色をしている。
『校長先生、候補生徒を連れてきました』
『あぁ、ありがとう。君たちはここにいる先輩達を見てどお思う』
校長先生の近くには美形揃いの男装した先輩たちがいる、何人かはやさしく見つめ、何人かは厳しい目を向けている。
【と、とても綺麗な方々だと思います】
『そうか、お前たちの腕も上がったものだな。本題に入る、君たちは審査に合格した入学式のときから君たちの仕草や言葉遣いを見て判断した。よって明日から君たちには男装をして学園生活を送ってもらう、服や寮、日々の過ごし方はあとで先輩たちから教えてもらってから。質問はあるか?』
私含めた子達は絶望というか緊張というか何が起こったのかわからない様子だった、質問しようにも何を質問したらいいのかわからん。。
いやここは誰かが言い出さないと!
「あ、あの。なぜ男装をしないといけないんですか?学校説明会のときは何も言ってませんでしたよね?急に言われても納得できる理由を聞いてからやるかやらないかを決めたいです」
重い空気の中反論する形で聞いてしまったが、やらかした。
(地獄のような空気になってしまった。。まさか私だけが知らないとかないよね?!学校説明会のときちゃんと起きてたし資料も隅から隅までみたもんな!私は間違ってないよね?!)
『あぁ、言い忘れてしまった。』
『もぉ、校長先生…またですか?』
『いい加減に資料に書くなりしてください、だからこの子達が死んだ魚のような目になってるんですよ』
他先輩がフォローのようなことを言ってくれた、横を見ると同学年の子達がありがとうと言わんばかりに顔色が明るくなった。
『理由はだな、この学園を去ったあと社会にでて男がいる環境に困らぬように数年前からの対策だ。外部から男を呼ぼうと思ったがそっちの方が危険だったのでね。嫌なら辞退してもいいし途中で辞めても途中からやっても大丈夫だ。』
結構自由だったし私は納得できる理由だった。
『他に質問がないなら、教室に帰って構わん。』
やっと解放された、てことはここにいる子達の何人かは男装するのか。
え、そうなると私1人じゃん。やってけるかな。
最後に部屋を出ようとしたその時ドアが勢いよくあいて1人の息を切らした男の子が入ってきた。それは朝に会った優しい先輩だった。
『ごめんなさい!集まりに遅れました…あれもお終わりですか……?』
『嗚呼、どこに行ってたんだ紫亜!』
『いやいやちゃんとした理由があって!迷子になってた一年生を手伝ってたら周りを囲まれてて話しても話しても聞いてくれなかってここまで走ってきたんだよ?!』
『ちょうどいい、紫亜その子の専属の男装講師になってやってくれ。その子はお前と同じでクラスに1人しかない心細いだろうし』
「え…っと」
『いいですよ僕は、この子が嫌じゃなければ』
『てことで、紫亜頼んだぞ』
となって、紫亜先輩からいろいろと教えてもらうことになった。
『ここが君の部屋ね、隣は僕だから何かあったらノックしてね』
「あれ、他の子とは違う寮なんですか?」
『うん、前にストーカーまがいのことをした子がいて…いやぁ大変だったよ決めつけるのも良くないから証拠を集めて何回も注意しに行ったんだよ』
「そ、そんなことがあり得るんですか?!」
『うん、だから気をつけてね』
やる前から怖いことを聞かされたような気がする、部屋は普通で勉強机とベットにクローゼットもある。それにドレッサーまでも。
「あれ?制服がズボンだ。先輩達は制服じゃないですよねそれ」
『あー、これ自由なんだよ。その制服着てもいいし家にあるものや買ってきた服でもいいんだよ。』
「服買いに行かないと、私服のほとんどがワンピースやスカートだし…母上に相談しよっかな」
『なら休みの日一緒に買いに行くかい?おすすめの服屋もあるし比較的安いお店も近くにあるから、どお?』
「それじゃお言葉に甘えて、次の土曜日に部屋に伺いますね」
服を買う約束をしてその日は解散した、窓の外からは月の光が差し込んでいた。まさか入学した日にこうなるとは、楽しみだが不安が心に残っている。
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