魔族とか人間関係とか面倒くさいけどまあ、俺なりに頑張ります。

猫八

第1話 入学! ヤシロ学園!


 この世界には魔族と人間が存在する。


 魔族と人間は絶えず戦争を続けている。そしてその魔族に対抗する戦力となる人間を育成するのがここ、ヤシロ学園。


これは世界が平和になるまでの物語―



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 

「リオン!そろそろ起きなさーい!」


「んん〜....」


「入学初日で遅刻するよ!」


「起きるって」


「ほら!」


「はいはい、起きますよ。」


 あ〜だるい。


 俺の名前はリオン。今日からヤシロ学園に入学することになったんだけど....


「.....眠すぎ。」


 これから毎日続くのかよ....


ヤシロ学園――魔族に対抗する戦力を育成するために設立された学園。16歳になると入学するように義務付けられている。


「さて、そろそろ母さんに怒られそうだから行くか。」


 これ以上朝から大声を聞くのはごめんだ。


1階に降りると俺の妹、ルナが朝食を食べていた。


「なんだ?随分と早いな、お前は来年だろ?」


「お兄ちゃんが遅いの!それにいつもこの時間だし。」


 ルナは俺と違ってしっかりしてる。コイツが入学して成績しだいでは俺はもうお兄ちゃんと呼ばれなくなるんじゃないかと思ってる。


「ほら、ボサッとしてないでお兄ちゃんもご飯食べたら?」


「へいへい。」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「んじゃ、行ってきます。」


「行ってらっしゃーい。」


「気をつけてね、しっかり友達作るんだよ。」


「余計なお世話だよ。」


「あら、そう。」


「彼女作れよー。」


「....余計なお世話だ。」


「あら、そう。」

 

 たまにこういうとこあんだよなールナ。


「改めて、行ってきます。」


「はい、行ってらっしゃい。」


バタンッ


「ふう、太陽が眩しいぜ。」


 おっと、こうしてる場合じゃない。行かなければ。


そして、入学式―


「次は学園長のお話です。」


「えぇ〜新入生の皆さん、おはようございます。えぇ〜本校では―」


 眠い....早よ終われや。


「えぇ〜既に素行が悪い生徒が何人か見られるが、これからですからな。まずは!入学属性検定を新入生諸君にはしてもらう。この水晶に手をかざすとその者の属性が分かる。では名前を呼ばれた者から前に。」


 んあ!?なんにも聞いてなかった....


「メイプル・モニカ。」


「はい。」


呼ばれた女子生徒が立ち上がる。


 髪の毛がピンクとは珍しい、俺も薄黄色みたいな髪だから人のこと言えないけど。


「では、手をかざして。」


「はい。」


ポウッ


女子生徒が手をかざすと水晶が光り出した。


「.....よし、もう良よいぞ。」


「はい。」


「えぇ〜知っている生徒もいるかも知れんが、属性は大きく2つに分けられる。魔法属性と物理属性だ。メイプル・モニカの属性は音属性。つまり魔法属性ということになる。」


「ありがとうございます。」


「うむ、礼儀正しくて良い。次、」


「クレオ・オレオ」


「はい。」


「では同様に。」


ポウッ


「クレオ・オレオは物理属性のようだな。剣属性だ。」


「.....剣ですか?」


「うむ。剣術に特化した身体効果が発揮される。」


「....分かりました。ありがとうございます。」


「次、チナ・サオトメ。」


「.......」


「......手をかざして」


ポウッ


「.....これは!?.....物理属性なのか?いや、う〜ん....」


 学園長の顔色が変わる。


ざわっ..


学園長が驚くのは珍しいのか、他の教職員達が動き始める。


「.....チナ・サオトメ、後で職員室に来なさい。次、」


ざわっ...


まさかの事態に生徒達も騒ぎ始める。


「オホンッ!えぇ〜属性検定を続行します。」


 そんなことがありつつ属性検定テストは進んで行き―


「次、リオン・ハート。」


 やれやれ、やっと俺の番か。


「はぁい。」


「....来なさい。」


 やべ、癖で気の抜けた返事をしてしまった。


「では手をかざして。」


ポウッ


水晶が光りだし属性を映し出す。


 俺の属性は―


「ほう、光属性か。おめでとう。」


「え、あざっす。」


。」


「あっすみません..ありがとうございます。」


「よろしい。」


「.........!?」


 光属性!?俺が!?.............似合わねー!


 その後は見事に爆睡をかまし、入学式は幕を閉じたのであったのだ....






 




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る