第13話 心霊スポットに行ってしまった時の話
ただただ運が良かっただけの話。
心霊スポットとは知らずに行ったのが2回。
騙されて心霊スポットに行ったのが4回。
分かっていて?行ったのが1回。
騙されたのは大学生の時「飲み会あるよ!」「食事に行こう」と言われホイホイ車に乗り込んで…遠くの心霊スポットへ…と言うパターンでした。
今回はこの中からかなり運が良かった話を。
中学生3年生か、高校1年生の頃の話。ここら辺は曖昧でスマナイ。
私と友人2人は大晦日の夜にとある場所に向かった。
霊験灼かな場所で…興味本位で肝試しをする人達もそこそこいるものの、色々障りがあるとされていた。
正直に言うと絶対行きたくなかった。
ガチスポットというのは小学生の頃偶然入って死ぬほど怖い目にあったので2度と行きたくないと思っていた。
ただ、そこは神聖な場所だから新年を迎えるのに良い…とある意味騙されて向かった…事を現地に着く直前心から後悔した。
何故ならそこに吐く直前、女性の悲鳴と共に死に物狂いでこちらに向かって走ってくる大学生?と思しきカップル。
2人とも半狂乱で私達が居るのも見えていないのか全力で駆け抜けていった。
「えっ?何?」
「出たのかな?」
「…神聖な場所なんだよね?なんで出るの?」
「あー…多分追い返されたんじゃないかなぁ」
友人の一人がそう言った時点で確信した。
神聖な場所だが、ヤバい心霊スポットだと。
ただ、場所および位置的に一人で家まで帰る事はかなり怖い(物理的かつ身の危険的な意味で)。
結果的に2人の後をついて行くことに…なった直後、早くも後悔した。
木の上に子どもがいた。
こちらを興味深そうに見ていた。
ただ、同時にちょっと怒っているような雰囲気もあり…私は即座に頭を下げ心の中で謝った。
謝罪と言い訳じみた事情説明。そして夜が明けるまでこちらに居させてくださいと伝えて5分ほど十句観音経を唱え続ける。
その間友人達は周辺散策していたが。
そしてそのまま何時間かして夜が明け始めたとき、全身にというか、肩、腕、腰、足を何かが掴もうと?それとも握ろうと?している感覚がした。
それも後ろから。
これはマズイと全身鳥肌を立てながらも友人2人に
「そろそろ夜も明けてきたしここから出よう」
そう言うと2人は首をかしげる。
「は?まだ明けてないのに?」
「もう少し居ても良いんじゃない?」
それはマジでアカンのよ!
「トイレも行きたくなってきたし、だけど近くの公園は絶対嫌なんだよ」
届け!私の想い!
なんか近付いてきてるし!早く早く!
私が慌てている雰囲気を察して2人は「しょうがないなぁ」と言いながら移動してくれた。
正直あの時の事を思い出すといつも嫌な汗が噴き出す。
既に時効だと思うので白状します。
帰り道、柄の悪い酔っ払いのお兄さん達にそっと袖をすり付けました。
そのせいで2~3分ほど軽く絡まれたけど私はそれで良かったと思っています。
上機嫌なお兄さんとお姉さん達、何事もなかった事を祈ります。
友人2人はそれぞれ家庭の事情がでそれから2年経たずに所在が分からなくなりましたが、私は特に問題も無くトラブルに巻き込まれております。
夏だし、身近に起きた不思議な体験を書いてみようか 御片深奨 @misyou_O
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