間章 観察者
第27話 魔女部隊は戦場を観察する
――戦場を見渡すように突き出した岩壁の上、なにかがかすかに星明かりを反射していた。
生命を拒む砂漠においても、なお異質な存在感を放ち、いっそう闇を際立たせるかのようだった。
そのときゴーグルの下で異様なほど赤い舌が浮き上がり、
「あーら、勝手に魔物を連れて出撃した
「
そこにぶかぶかのアーミージャケットを羽織り、寝ぐせ一歩手前のショートヘアを頭に乗せた少女がいる。
そのくせ片耳にだけ開けたピアス穴から、藤の花にも似たフラワーチェーンが吊り下げられていた。
「この距離から? いくらなんでも警戒し過ぎではなくて、
「あれは間違いなく〈庭〉の出身者――〈
距離三千でも近過ぎるくらいじゃないですか」
そこには騎士の手を掴み、井戸から引っ張り上げられる紅い瞳の少女が映し出されていた。
通常、ドローンというのはかなりの爆音を掻き鳴らして飛行する。
だが彼女の操るドローンは、なぜかまったくの無音で空中に静止していた。
「あの様子じゃ、こちらの世界で〈
「〈
万年やる気のない
けど
「さあねぇ」
出てきたのは、一見して
平安貴族のように長い髪は細かい毛束に分かれ、まるで鋭いナイフで一閃したように水平に切り揃えられていた。
それが後頭部で
黒いブレザーにチェックのスカート、豊かな胸がタクティカルベストの上に乗っかるように支えられていた。
「
そう報告するしかないんじゃなぁい」
「つまり、報告はしないと?」
「毒を喰らわば皿までもなんて言うけれど、できれば毒もお皿もおなかに入れたくはないじゃなぁい。
それより……」
それは銃器でも、まして西洋のロングソードでもない。
剣の一種でありながら、本来〈ニースベルゲン〉には存在しない武器だった。
「二十五年前、勇者とともに魔王軍と戦った〈恥知らずのオジ〉か。
とっくに全盛期を過ぎたおじさんと決めつけてたけど、少しは
ふふっ、ふひゅふっ……ふふひゅふふひゅふっ」
早くも血と闘争への期待を抑えきれないのか、断続的に背中を揺すっている。
「戦闘狂」
強いと
銃器よりも刃物に執着する性癖から、
「行きましょお、
やがて
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
さあさあ、皆様がた!
この辺りでまた、我ら吟遊詩人にお心ざしを頂戴したく存じます
お楽しみいただけているなら、
ぜひハートによる応援を!
引き続き一座の
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もちろん、☆☆☆のレビューを頂戴いただけるならば、
もっとも光栄に存じます
最新話の
どうぞお待ち申しております
皆様のお心ざし次第では
よろしいですかな?
それでは紳士淑女の皆様がた、
ついにふたりが出会い、いよいよ物語は動き出します!
ここでお席を立つのは惜しゅうございますぞ?
ではまた、ごゆるりとお楽しみくださいませ
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
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