第8話 「もう1人。」影2 完
雲に隠れた太陽が出て来た。
「眩しいな。」
宇宙人の体温低めの僕にはつらい。
できれば夏という太陽が地上に近い
この季節は早く終わらせてもらいたい。
ややこしい、この地面。
地球は自分でくるくる回っているらしい。
物理の法則によれば可能性だ。
しかし始まっている地面内部のマグマの反乱。
宇宙との境界線。大気が途切れ途切れになった状態でよくバランスを崩さないな。
この惑星辺境の地球はもしかしたら、ニセものかもしれない。
よく僕ら宇宙人も使う星の引越しだ。
そういえば。
僕の星にもある重力付与。あれは造られた力だ。
空の雲、水蒸気の固まりが地上に落ちてこないのも重力制御のおかげだ。
海の水がなくならないのもこぼれださないのもすべて制御システムが作動しているからだ。
頭の上の太陽がじりっと僕のカラダに強い紫外線光線を浴びせる。
光線分析。間違いない。
すべて計算されている。この星は。
「誰が作ったんだ?」
「やっと声を出したか。少年。」
影がにゅーっとまた顔を出した。
「影、お前も作られたおばけや妖怪なのか?」
「つくられた?それはないな。俺様達は、人間につくられたのではない。
この世界に出てきたかったから出てきた。
存在しているそれだけだ。」
「影、お前は妖怪らしいが、頭がいいな。
実体がないがな。僕の星に来ないか?」
「いやだ。宇宙は漆黒の暗黒の世界だろう。
行きたくないな。太陽がなければ俺様は存在できない。」
「大丈夫だ。人工太陽ならたくさんあるぞ。」
「いや、断る。この地上を我がもの顔で動いている人間をおどかすことが、俺様の生きがい。喜び。存在意義だからな。」
「そっか。この星の植物採集ではなく、
生命体採取に加えたかったのにな。」
こわいときの対処法。
「呼ばれたら、断る。」
これに限る。 完
呼ばれて呼ぶ 京極 道真 @mmmmm11111
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