第2話ぼっち系女子、成果を試す。
おかーさんと会話の練習を始めてから早2週間ほど経ち、
ついに今日から私の高校生活が幕を開ける。
「おかーさん、今日まで練習付き合ってくれてありがとう。
おかげで今日頑張れそう。」
「ふふっ、どういたしまして♪
お友達ができたらお母さんに教えてね?」
「うん。もちろん。
じゃ、行ってきます。」
「行ってらっしゃい。頑張ってね♪」
私が今日から通う高校、私立雁ケ峰高校は私の家から徒歩10分程度
と近いところにあり、さらに私立というもあって校舎は綺麗だし
敷地も広く、校則もそこまで厳しくないという私にとってかなり
都合のいい高校だ。
(せっかく頑張って受験勉強して受かったんだし、高校生活を
楽しまないとだよね。
それにせっかくおかーさんに練習付き合ってもらったんだから
今日何人かには話しかけれたらいいなぁ……)
そうして、心の中で意気込んでいたらいつのまにか
着いていたようだ。
(うわぁ、やっぱり綺麗な校舎だなぁ)
と、数ヶ月ぶりに見た校舎に感動を覚えていると
「あ、あの!」
「ん、どうしたの?」
(びっくりした!いきなり話しかけられたからビクってなっちゃったよ。)
「い、いえ。急に立ち止まってぼーっとしてたからどうかしたのかなぁって
思って……」
「あぁそういうこと。
いや、何度見ても綺麗な校舎だなぁって思って。」
(会話できてる!会話できてるよね!?
会話できたよおかーさんありがとう!
それにしても、こんな私に話しかけてくれるなんて優しい子だなぁ。
よく見たらこの子めっちゃ可愛いし。)
「わかります!綺麗ですよね。
私、この校舎に憧れてこの学校に来たんです。
あ、自己紹介してなかったですよね?
私、
よろしくお願いします。」
「ん、私、音瀬氷織。よろしく。」
(どうしよ、ちょっとそっけない感じになっちゃったかもしれない…
おかーさんと練習してた時はこんなじゃなかったのに……
緊張して上手く話せない(´;ω;`)
こんなんじゃ先が思いやられるなぁ……)
当然、今までぼっちだった人間が緊張せずに話すなどということはできず
かなりそっけない感じになってしまったのだが、おいおい慣れていくうちに
直っていくだろうと一旦考え、私は今後の自分の行く末に若干の不安を抱え
ながら自分のクラスを確認するべく、校舎へと向かっていくのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます