十一 大切なこと
ルルはよく寝ている。気になっている二月二十五日は、ルルの卒業式の予行練習日だ。
昨日、『ルルの入試まで、俺がルルといっしょに居ることになったんだから、卒業式の予行練習で、ルルの身に何か起る証だろう。地震か?洪水はないだろな。そしたら火事か?』と考えて、他のことが気になり、疑問が中断したままだった・・・。
天変地異も火事もありうる。ルルは突発事故のとき、身動きできなくなる性格か?そんなことはない。臨機応変、どんな緊急事態もおちついて行動する。見た目やいつもの行動から想像できない、すばやい行動ができる。
今日、午前、『心配するな。何があってもルルを守る』と約束したのだから、いつもルルとともにいて警護しよう・・・。
「アッキ!おっき!うん。決った!八時だよ!」
あっという間に布団と毛布をかたづけられた。もう朝か。目を閉じて開けたら朝だ。眠った気がしない・・・。
「はい、顔を洗って、着換えてね。ご飯食べて勉強だよ」
「眠い・・・」
「今日の予定。
八時、起床、朝食。
八時半、勉強。十時休憩。十時半、勉強。
十二時、昼食。
一時、勉強。三時、休憩。三時半、勉強。
六時、夕食、その他。
八時、勉強。十時、休憩。十時半、勉強。
十二時、就寝」
「なんだ!今日は十八日だから、二週間もこんなか?」
「アッキは試験があるから、アッキは十日間だよ」
「うん・・・」
「さあ、顔を洗って、着換えて、ご飯だよ」
「はい・・・」
ルルを守ると約束したが、こっちが守られている気がする。家の中はこれでいい。家はルルの城だ。なんでも俺が指示してたら、ルルの居場所がなくなる。
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