第17話
魔力操作の練習をあれから続けていた結果、かなり出力を制御できるようになってきた。
それと同時に刻印魔法の仕組みもなんとなくだが理解することが出来た。
刻印魔法は防具や武器にさらなる力を付けるために開発された魔法で防具を硬くしたり剣から火を出したり出来るらしい。
男なら一度は憧れる魔法剣が実現可能なのだ。
「ん〜、魔力だけどんどん上がっていくな……」
夏目 祐希 Lv1
HP10
MP87
そろそろ100に届くのではないかと思うほどにはMP容量の成長速度が早い。
倒れた時のお礼や本の感謝のためにも一度リズさんに会いに行かなければと思いつつ、大量のやることに頭を抱える。
しかし、目に見える成長が続いているおかげかユウキのモチベーションは上がり続けておりあまりのテンションの高さにシーナが少し引いている。
「やけにテンションが高いわね、また倒れないでよ……」
「心配してくれてるのか? ありがとう」
「そんなんじゃないわよ、また私がお世話しないといけないんだから倒れないでよね」
倒れたらまた膝枕して貰えるのではと思ったが口に出せば二度として貰えなさそうなのでグッと堪えて次にする事を考える。
「なぁ、何かしたい事でもあるか?」
「そうねぇ、DPは順調に溜まっているけどまだまだ次の階層を作るには足りないし少しの間する事は無いんじゃない?」
そう言われてしまうとどうしようもないのだ。
次の階層を作りたい気持ちはあるのだが、次の要望がこれまた難しいのだ。
食べれる魚類系モンスターが出る階層が欲しいと言われたのだ。
何故に魚? と思ったのだがよくよく聞いてみるとここはかなり内陸の土地らしく魚が異様に高価らしい。
なのでダンジョンで魚が取れるようになれば領の収入に直結するそうだ。
あと数日もすれば必要なDPが集まるのだが、今することとなると何も思いつかない。
シーナはお菓子を食べては幸せそうにはしゃいでいるので何か特段やりたいことも無いそうだ。
「モチベがあってもこれじゃなぁ……リズさんに会いに行ってみるか?」
「……」
リズさんの名前を出すとシーナがお菓子を食べる手を止めこちらをジッと見つめてくる。
一緒に行きたいのかと聞いても首を横に振る、これが女子の察しろというやつなのか!?
「い、行ってきます?」
「行ってらっしゃい……」
諦めた逃げの一言が正解だったのか最後には無言の圧が消えて言葉が返ってきた。
行ってらっしゃいを要求してくるとか可愛いかよ……
学園の廊下を歩きながら思い出しては可愛すぎて吐血しそうになるを繰り返していると、見たことある3匹がこちらに近ずいてきた。
嫌な予感がした俺は速度を上げ図書室に走って逃げ込む事にした。
「いらっしゃい」
「お久しぶりです」
ダンジョン学園で落ちこぼれのダンジョンコアに召喚されたので俺がこの子を最強にしたいと思います ヤスミ @minonononon
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