第7話 大団円
今回の殺人が、実は、
「交換殺人ではないか?」
と考えたことで、どこかの理屈がかみ合ってきたような気がした。
今回の犯罪と。
「切っても切り離せない」
という関係にあるのが、レズビアンという関係であるが、この関係に、最初から嫌気を出していたのが、かずきであった。
かずきは、みさきのことを最初は気に入っていたが、次第に、相手の方がその気が強いことに気づくと怖くなってきた。
そこで、最初は、自分から切り離すということと、自分に付きまとっている男から逃れるということを考えて、
「二人を殺したい」
という衝動にかられた。
しかし、その時、
「どちらか弱い方が、自分をそんなに問題としないことを考えた時、そっちを、
「誰かに殺させよう」
と考えた。
その時に使う手段として、
「金銭的なことであれば、相手も従うしかないだろう」
ということで、かずきを最初は、
「誰かを殺させる実行犯」
にしようと考えた。
しかし、かずきは、それを知ってしまうと、
「みさきという女を、手下のように使う」
という計画が狂ってしまった。
だから、彼女に借金を背負わせることで、その力をそぐことにしたのだった。
相手の男は、かずさという女を自分のものにして、自分で操りたい」
と思っていたのだが、それが、バレたのか、かずきに、利用されることになった。
それ、まるで、
「三すくみの関係」
と言ってもいいだろう。
それぞれに、相手に対して力が及ぶことで、
「三つ巴」
になり、
「お互いに手が出せる関係にはない」
ということを、
「利用しよう」
と考えたのだ。
交換殺人というと、
「本来の動機のある人間に、絶対的なアリバイを作る」
ということで成立するものであるが、逆にい、それは、
「自分も相手も動けない」
という、
「もろ刃の剣」
ということになるということを示している。
それを考えると、
「動機が何か?」
ということが、まずはっきりとしていないといけない。なぜなら、その人のアリバイを完璧にすることで、
「犯人は存在しない」
とでもいうかのように仕立てあげ、
「完全犯罪」
というものに仕立てあげようという考えからきていると言ってもいいだろう。
暴行事件の未遂であったり、レズビアンへの転換であったり、一人の女がいかに、
「危ない橋を渡っているか?」
ということを考えると、
本当であれば、
「交換殺人をしたい」
と思っている人がいるとすれば、かずきと組む方がいいと思うだろう。
今回の死体発見は、そのかずきだったのだ。
ということは、かずきは、
「ミイラ取りがミイラになった」
とでもいえばいいのか、誰かのために、交換殺人を計画していたのだが、彼女は、復讐されることで、自分の復讐を達成しようとでも考えたというのか?
そんなことを考えていると、
「交換殺人」
ということを刑事が気づかなければ。
「私の勝ちだ」
と思っているようだ。
まるで、かずきは、
「私の交換殺人の理論を警察に見せつけてやるのが私の復讐」
ということで、彼女は、レズであったこと、そして、男に暴行されそうになった時、その時に、対応した警察が、
「ろくでもないやつだ」
ということであった。
さらに、かずきが考えていることとして、
「私は、交換殺人というものを、まるで、伝染病のように考えている」
ということであった。
そして、これは、実は、連続殺人であるということは、もちろん、交換殺人であれば、当たり前のことだが、だからこそ、警察に、
「これが、連続殺人である」
ということを疑われてはいけないのだ。
それが、事件の全容であり、
「私が本当に死んでほしいのは、外国人だ」
ということを、かずきは分かっているのだろうか?
自分の死をもってして、何かを訴えたいという思うと、
「この世で生きているにふさわしくない思いをいかに考えるか?」
ということが、最近の外人ばかりの世の中であった。
彼女は、最後に、外人から暴行されたのだ。
という事実を誰が知っているだろう。
彼女に対して、復讐を考えていた人はたくさんいた。何が復讐になるというのか、話が支離滅裂で、つかみどころがないのだった・
「人を呪わば穴二つ」
まさにその通りではないだろうか?
( 完 )
人を呪えば穴二つ 森本 晃次 @kakku
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