明日を思い浮かべると僕は君の笑顔を思い出すんだ 3話
@bykub
第1話
放課後の居残り授業が終わり、友達や先生とも別れ、家に帰宅する。「ただいまー」「あら、ゆうとお帰り。今日は帰りが遅かったわね、お母さん心配してたのよ」お母さんは心配した様子で玄関の前に立っていた「今日は学校の先生と居残り授業受けなきゃいけなくてさっ、家に帰るのが遅くなって」肩に担いでいたバックを廊下の床におろすと僕は疲れた顔で「多分」両手を組み合わせて背伸びをする。「ゆうと、その傘どうしたの?コンビニで買ってきたの?」「あっ!これは、その一っ......。貰った!女の子に」「同じ学校のクラスの子?ちゃんとお礼を言いなさいよ、傘ありがとうって」「あぁ〜、もちろん言うよ。あれ?今日、いつきちゃんにお礼したっけ?緊張してて覚えてないな」「お名前はいつきちゃんって言うのね、ゆうとの周りにそんな友達いたかしら?」「今朝、曲がり角で初めて会ったんだよ、それでちょとだけ話してたら仲良くなってさっ」僕は話し終えると廊下をスタスタ歩き居間に向かう、そこで、ふと目をやると、お母さんがさっきまでテレビを見ていたのかテレビの画面がつけっぱなしになっている。テレビの中では天気予報士の人が明日の天気について解説している最中だった。「明日は高気圧が張り出してきて概ね晴れるでしょう。ところどころ曇り空も目立ちますが晴れますのでお出かけに、傘などの雨具はいらなさそうです」僕は天気予報士の解説を聞きながら、「やっぱり明日は雨なんて降らないよな一。いつきちゃんは何であんな事を言ってたんだ。」そう呟いていた。
その晩、布団に入ってぼんやり天井を眺めていると明日のことを思い浮かべていた、明日は裕也と外で体育祭の準備をする予定なんだよなぁ。外での活動だけど天気予報士も晴れるって言ってたし予定通りになるだろう。僕はたしか体育祭でわた飴を作る係だったけ。わた飴はふわふわしていて美味しいから僕は好きなんだけど裕也は嫌いって言ってたな笑。わた飴か......。いつきちゃんは違う学校の子で僕の学校の体育祭には来れないとおもうけど、いつきちゃんと一緒にわた飴作れたらなぁ。「みんなにも明日の天気を伝えてくれると嬉しいな♪」一瞬、放課後に傘をくれた時のいつきちゃんの笑顔を思い出す、「屈託のない笑顔が可愛かったよ、いつきちゃんは」でもなんで皆んなに明日の天気を伝える必要があるんだろう。明日は晴れるのになぁ......。
ザ一ザ一ザ一。朝方、目を覚ますと雨が降っていた、本降りの雨が。「えっ?嘘だろ!昨日は天気予報士が高気圧が張り出してきて晴れるって言ってたのに」「まさか、いつきちゃんの言ってた事が的中した?!」僕はびっくりして体にかけていた布団を無造作に放り投げて、あぐらになって座る。その時スマホの着信音が鳴った。電話に出るとそれは友達の裕也からだった。「もしもし、ゆうとか、おはよう!今日の体育祭の準備はこんな雨だから中止だわ。まさか昨日まで晴れるって予報だったのにな」残念そうにスマホ越しから裕也がしゃべる。「本降りの雨だからね。仕方ないよ」僕は裕也にそう告げる。電話を切ると、僕は居間に向かいテ一ブルの上に置かれていた今日の日付の新聞に目を通す。そこで今日の天気概要欄を見てみると降水確率70パ一セントで湿度は60パーセント、最高気温は22℃最低気温は11℃。なんと、いつきちゃんが昨日の朝に言ってたことが、ぴたりと当たっていたのだ。気温も湿度も降水確率の数字も全く一緒だった。ちょっとまてよ、みんなにも明日の天気を伝えてくれると嬉しいな♪って言ってたのは体育祭の準備が中止になることを予知した上でのセリフだったのか?!チリリン突然、家のチャイムが鳴りお母さんが玄関に出ようとする「は一い!どちら様でしょうか?」「ゆうと君はいますか♪」聴き覚えのある声がした、まさか?!いつきちゃん?!家の住所なんて教えたっけ?「ゆうと一!いつきちゃんって言う友達が来てくれたわよ一!」僕は呼ばれると、居間から出て玄関の前まで向かってお母さんの近くまで行く、そばには、いつきちゃんが立っていた。「おはようっ!ゆうと君、今日は傘が役に立つ日だよっ(*´-`)」僕はいつきちゃんを前にして途端に緊張からか声が出なくなる。「......。」「ほらっ、ゆうと、友達がせっかく家に来てくれたんだから挨拶くらいしなさい。」お母さんに促されるのだが声が出ないのだ。僕は心の中で、いつきちゃんって可愛いなぁ、緊張で喉がカラカラになってしまうくらい。ガチでいつきちゃんに恋してるよ、ほんと。「そう想ってくれてるんだねっ(*´-`)嬉しい♡ゆうと君╰(*´︶`*)╯♡」えっ?!今、いつきちゃんに僕は何も喋ってないよね。まさか?!心が読まれた??「......。」「悪いわね一。折角、うちの家まで遊びに来てくれたのに、ゆうとは気難しいからごめんなさいね。」お母さんがいつきちゃんに謝る。違うんだ母さん、僕はいつきちゃんを目の前にすると緊張して声が出ないんだよ「いえいえ♪ゆうと君は緊張してるみたいなの♪ねっ!ゆうと君?」「......。」目が合わせられない、てか、顔が萌えキャラみたいに可愛い。「ありがとう╰(*´︶`*)╯♡ゆうと君は萌えキャラが好きなんだね♪目が合わせられない理由がそれなんだぁ♡」「......。」また読まれた。いつきちゃんとは一言も話さなくてもコミニュケーションがとれるんじゃないだろうか。
明日を思い浮かべると僕は君の笑顔を思い出すんだ 3話 @bykub
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