第20話 威圧

「まず、この地下牢で貴女をお待たせする事は出来ない。」


おじさんの言葉に隣のディアは顔を下げる。


「誤解を生むような発言で悪いのだが、決して貴女の話を聞かないということではない。貴女は和平協定を結びに来た他国の女王、つまりは賓客である。そのような方を地下牢でもてなすなどどこぞの愚王でもそんなことはしない,,,,,,と思う,,,多分,,,,,,いや、あの人ならやりかねないけど,,,,,,少なくとも私はしない。」


おじさんが庇いきれないなんて、どんだけなんだ前国王。


「なので本来はこちらで用意するものなのだが、この城に貴女の威圧に耐えられる者は少ない。その為」


「おじさん、ちょっといい?」


ここで僕は先程から気になっていることを(母も父もダウンしてるため)おじさんに聞くことにした。


「さっきから威圧とか殺気とかなんの事?」


「ん?何って、まさか君はこれが分からないのかい?」


「これ?僕は全然いつも通りだと思うけど,,,?」


「,,,,,,やっぱり,,,,,,。国王,,,,,,私が説明する。」


僕の腕から離れてディアはこちらを向く。


「ルイダ,,,,,,今から貴方に敵意を向ける。気をつけて,,,,,,,,,!」


そう言ったディアは少し顔を強ばらせる。

するとディアから肌を刺すような存在感が溢れ出る。


「,,,,,,これが,,,私の威圧。常に,,,溢れ出てる。」


ディアが少し落ち込みながら説明する。

なるほど、僕が鈍いだけで皆はこれを感じてたのか。


「へ〜。で、これの何が問題なの?」


母や姫の護衛が警戒するのは分かるがおじさん達が腰を抜かすほどだろうか?

これなら古参貴族の視線の方が余程痛い。

王城の人なら慣れっこじゃないだろうか?


「あ〜分かった。多分だけど君はスキルのせいで威圧が効きにくいんだよ。それも相当。多分、一般人はこの部屋に入るだけで全身から汗を吹き出して気絶すると思うよ。」


「,,,,,,わたしの威圧を防ぐなんて,,,,,,すごい特殊なスキル,,,,,,?」


ディアが嬉しそうに考え始める。

確かに勇者が魔王と対峙して腰を抜かしてたら話にならないから当然か。


「まぁ、そういう事なので貴女にはある貴族の屋敷で過ごしてもらおうと思う。」


確かに王城の人が次々倒れたら大変だからね。

それこそ貴族が倒れたら洒落にならない。

ん?まてよ。とある貴族?

それってもしかしなくても,,,,,,


「その貴族とはドイメーン公爵家だ。」

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勇者?めんどくさいのでパスで 暗好 @07manemane21

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