Coruha🌱

 人との繋がりを大切にしたいと思う。これまでに出会ってきた様々な人と縁を切るなど私にとって難しいことだ。多分私は、周りが思うよりももっと感傷的で感情的だ。一度時間を共にした仲間を疎遠になったからといって簡単には切ることができない。

 所詮元同じクラス。所詮元チームメイト。所詮元同じ学校。所詮同じ空間にいるだけの人。私と彼女はただ同じ学校で同じ学年で同じクラスで1年間一緒に過ごしただけの関係。これは友達とは言わない。一緒にいなくなれば友達ではないし、一緒にいなくなれば簡単に切れてしまうもの。

 私は友達だと思っていた。例え学校が変わろうと、例え一緒にいる時間が少なくなっても1年間共に過ごした日々は変わらない。しかしながら、彼女にとっては違ったみたい。彼女を責めたいのではない。私が感傷的になっているだけだ。そんなもんなんだよ。そんなもんなんだ。この事実に気付いた日、私は全ての連絡先を削除した。なんだか胸が苦しくて悲しくて辛かった。

 私は自分勝手だ。私が何も言わずに離れたのに、彼女のせいにしたがる。『私は貴方を友達だと思ってたのに、貴方は違うのね。』と棚に上げながら思う。こんな馬鹿みたいな話、きっとそこら中に飛び交ってる。そう思うと楽になる。

 時には切り捨てなければならない時がある。全てを取るなんて贅沢なことで不可能なことなんだ。彼氏を優先にしたいけど親友とも一緒にいたい。そんなの無理に決まってる。私は何も言わずに離れるけど、貴方は私のこと忘れないでね。そんなの無理に決まってる。私は私が返したい時に返すけど、貴方は早く返してね。そんなの無理に決まってる。それでも世間に飛び交っているんだ。

 全てが欲しいと思うのはおかしなことではない。手に入るなら全てが欲しい。でもね、そんなに甘くないんだ。私は私を悪いと思わない。この世界が悪いんだ。情ってものが簡単に切らせてくれないし、欲ってものが私にまとわりついて離れない。

 自分が1番可愛いなんて分かりきってたことでも、認められないのが人間で。自分のことを棚に上げるのが人間で。仏のような人など存在しないと思う。いたとしたらそれは周りが押し付けたレッテルにすぎない。こんな文章を書く私は捻くれ者だ。しかしながら関係を切れないかわい子ちゃんだ。身体は大人でも中身はお子ちゃまなんだ。

 人ってそんなもん。

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