エネミーズ・スタンピード:第一波
「はぁっ!」
サザレさんからの攻撃を躱していく。
お互いに【
「【
ちなみに【
そもそも、【
「サザレさ~ん!がんばって~!スレアちゃんも!」
横からリアが僕とサザレさんを応援してくる。
さっき取り出した【
「っ―――!」
ナイフの刃ではなく柄でサザレさんの脇腹を一発殴る。
「…あはは、負けたよ。やっぱり勝てないな、スレアちゃんには」
「どうですかね…」
「勝てないよ」
⦅スレア、今すぐ来てほしい⦆
頭の中に、焦っているようなそんなミディアの声が響く。
(どうしたのミディア?)
⦅重要な情報が手に入った⦆
(…分かった、二人も連れてっていい?)
⦅あぁ、もちろんだ⦆
「…サザレさん、リア。ミディアの所に戻ろう、情報を掴んだみたい」
「うん、分かった」
「了解だよ」
■
「ミディア」
「あぁ、来たか。スレア」
「うん。それで、重要な情報って?」
「あぁ、やはりあの【
ミディアの予想通り…そんな感じだろうか。ミディアからは、『やはり想定通りだった』と言わんばかりの声色で話している。
「そしてもう一つ。【
「トレウス?」
「あぁ。トレウスは簡単に言うのなら
「…そうなんだ…」
それと、とミディアが続ける。
「スレア、お前も狙われているみたいだ。プライマリを滅ぼすとき、一番の脅威はスレアだと判断されたんだろう」
「…でも、スレアちゃんを倒すって言ったって具体的にどうするの?」
「質が駄目なら数…のようだな。もうまもなくエネミーズ・スタンピードが発生するぞ」
「…エネミーズ・スタンピードって?」
「エネミーズ・スタンピードは…そうだな、簡単に言えば
…でも、それなら【
■
特に何の説明もなく、エネミーズ・スタンピードが始まった。…最初は狼だったり蜘蛛だったりの大群。
取り敢えず殲滅しようと大群の方に向かおうとすると、リアとサザレさんに止められる。
「…ここは私たちに任せてよ。ラスボス前には中ボス戦を挟まなきゃね」
「そうそう。僕らが粗方殲滅してくるから、待ってて」
………。
「…二人とも、僕に負けた憂さ晴らししたいだけじゃないの?」
「「うっ」」
…図星らしい。
「まあでも、じゃあお願いね」
「うん、了解」
…あぁでも、援護くらいはしてみようかな。
「スレア、サザレさん、ちょっと待ってね」
リアに【
「使っていいのかい?」
「はい」
「ありがとね。スレアちゃん!」
「頑張ってね、リア、サザレさん」
「「うん」」
(…ねえ、キュス)
『ん?どうしたの、スレア?』
(トレウスがこの場にいるかって分かる?)
『…ごめん、分からない』
(そっか。ありがとうキュス)
■
「…つまらん」
エネミーズ・スタンピードを起こしてもスレアなる者を倒せないことくらい分かっている。だが、能力さえ一目見ればアビリティ次第でどうにかなるものを…。
やはり私が直々に出向いた方が早いか…?
「いやだが、この二人も中々の実力だ。…この二人を掌握することができれば…スレアを無力化することもできるかもしれんな…」
私には必要なのだ。プライマリにいる沢山の者の魂が。幾多もの魂を代償に、復活を望む神を降臨させねばならん。
エネミーズ・スタンピードでスレアの能力を観測することが目的だったのに、これでは肝心のスレアの能力を見られないではないか。
「…どうしたものか」
私でも倒すことに苦戦する
しかし、それでスレアが出陣するとも限らん。…私にとっての天敵が増えた気分だ。
■
『…ねえスレア、暇』
(…そんな事僕に言われてもなぁ)
エネミーズ・スタンピードはリアとサザレさんが殲滅してるし、僕らは待つ以外にやることが無いし。
…暇だなぁ。
『…【
【
暇だし、やること無いからこれでリアとサザレさんの事支援してもらお。
(暇潰しにはなる?)
『…かも。でも敵が弱いから暇潰しにもならないかも…』
(でも現状それ以外に出来る事は無いしなぁ)
『…そうだね。…まあでも【
それは…まあ…もう仕方ないんじゃないかな。
(そうなったら我慢だね)
『…うん』
――――――――
作者's つぶやき:トレウスさんの目的は、プライマリの住民を殺して、その魂を贄にトレウスさんの信仰する神を降臨させるみたいです。
…まあ、それをして何になるんでしょうかね。
次回はきっと暇を持て余し過ぎたスレアくんがエネミーズ・スタンピードを返り討ちにするでしょう。
…それと、トレウスさんのアビリティなんですが、一度見た相手の能力の弱点を一瞬で見抜いて実質的に無効化できる…そんなアビリティです。
…まあ、出来たらいいですね。スレアくんに。
――――――――
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【GSMワールド】~男の娘が初期装備で行くVRMMO~ ますぱにーず/ユース @uminori00
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