最終話
「おはようおはよう~」
「宿題やった? うつさして!」
「だれだよ、俺が飼ってたコオロギ殺したの! あお向けで倒れてるじゃん」
「先生がゴキブリがでたって殺虫剤かけてたよ~」
「なぁなぁ、新ガチャの百連ひいたか?」
「俺は母さんの財布の金全額課金したよ。でも、闇魔界の覇王当たんなかった~」
「ねぇねぇ空木君の家の前にパトカー止まっていた!」
「あ、私知ってる~、ママが騒いでたけど、なんでも玄関に違法の材料で作られた人形が大量にばらまかれていたらしいよ」
「なにそれ怖い」
「鶴の恩返しならぬ、人形の仇返し……」
「俺が聞いた話では、材料の搬入ルートに空木の親が絡んでいるみたいで、じゅーよー参考人として捕まったらしい」
「あなたにはモクヒケンがあるってやつ」
「うそ……空木君も逮捕されちゃったのかな……」
「まぁアイツん家なんか色々怪しかったよな。危ない薬作ってる噂とかあったし」
「お人形さんは誰が運んできたの」
「さぁ? アイツの親に恨みがある人の嫌がらせ、あるいは天狗では?」
「しっ、待って。人形といえば、我がクラスの『呪いの人形』がきたよ……」
「息を止めなきゃ……」
たしかに世界はいまだに灰色だけれど、これから私の色で塗っていくことができる。。
☆
机でうつむく少女に、ランドセルをせおった少女が声をかけた。
「ねぇ……」
「……え?」
「私と……お友達になってくれる?」
「……うん」
「……よかった」
「ねぇあなた……」
「……?」
「あなたって、そんな表情もできるんだね」
「……ふふっ」
「今度の土曜、空いてる?」
「空いているよ」
「私と……自転車でどこかいこ?」
「……うんっ!」
あい玩『G』 木目ソウ @mokumokulog
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