第51話 地獄側も第5の塔へ出陣
場所は変わり 第3の塔が見える 物見の小さな櫓
この土地周辺を統括しているのは バモス王だ
本来 第3の塔の周辺付近まで バモス王が統括していたが 先の戦いで天上界に占領されてしまっていた
バモス兵A
「ふぅああぁ… 最近は なんにも変化ないなぁ ん?おっと そろそろ交代の時間だな」
バモス兵B
「おい!しっかり観察していろよ 何があるかわからないんだからな!」
バモス兵A
「分かってるって ちゃんと見……あ…あ…」
バモス兵Aは 遠くを見ながら 震える指で空を指差す
バモス兵B
「はあ?何してるんだよ 全く…集中しろって言ったろ?」
バモス兵A
「う…後ろ て…敵襲だ…」
バモス兵Bは 慌てて振り返り 天使の軍勢を バモス兵Bも確認できた
バモス兵B
「て…敵襲!!把握兵!!敵の数の確認をすぐに判断せよ!」
把握兵
「了解しました!」
把握兵とは 敵の数を魔法で判断できる能力者 戦闘関係の能力はないが 来襲が予想される地域に アモンが派遣している兵である
把握兵
「……約1000の数です…第4の塔に知ら…え!? ち…違う 明らかに南に下ってきている…この進路は…ま…間違いない!第5の塔に進行してきます!」
バモス兵 C
「だ…第5の塔だと!?わ…わかった 把握兵が言うのだ 間違いないだろう よし!バモス王に知らせに行ってくる!!」
物見の櫓にいる兵の中で 最も速いバモス兵Cが 全速力で飛び立った
バモス王側近
「バ…バモス王!急報が届きました 天使共が 1000程の部隊で 第5の塔に向かって来ているようです!」
バモス王
「なにを馬鹿なことをいっておる 第4の塔の間違いであろう…人騒がせな…まったく」
バモス王側近
「いえ 間違いありません あと数刻もすれば 第5の塔に敵が到着します」
バモス王
「間違えましたでは すまさんぞ…まあ…しかし所詮1000程なのだろう?……ペトラ!ペトラはおるか!!」
ペトラ
「はっ!ここに」
このペトラと呼ばれた者は バモス王が持つ将の1人である 身体は全身岩で出来ているが 見た目はスマートで バモス王の将のなかでは 小柄な身体であった
バモス王
「ペトラ お前に第5の塔の守備を言い渡す 天使どもを蹴散らしてこい」
ペトラ
「はっ!いかほどの戦力で向かいましょうか?」
バモス王
「…そうだな ここで無駄に兵を減らしたくない…うむ 相手が1000程ならば…150もあれば良かろう ペトラ」
ペトラ
「!!!バ…バモス王 もう少し 増やしていただけないでしょうか…せめて300…いえ200は 必要かと…」
バモス王
「ならん 我ら一丸となって 第3の塔を奪還せねばならんのだ こんなところで200も出せるか それとも何か お前は150では防げないというのか?」
ペトラ
「……いえ わかりました」
バモス王
「なら さっさと行け!」
ペトラは バモス王に一礼をし すぐに出立をした
ペトラ腹心
「…ペトラ様 他の将に事情を説明し 何とか助力をお願いしてみませんか?」
ペトラ
「……ならん 助力を願ったことがバモス王に知れたら 粛清されてしまうからな それに1000程で攻め込んでくるのはさすがに異常だ もしかしたら 上位天使がいるかもしれん そうなれば 俺もここまでかもしれんな…仕方ない…最後ぐらい 相手の強者と相打ちしてみせるさ…」
ペトラ腹心
「……ペトラ様… 最後まで お供します」
ペトラは 150の軍勢を整え 第5の塔の守備への準備が完了し 出陣する直前に思わぬ来客と遭遇する
ペトラ腹心
「よし 今より第5の塔へ 出陣する 各自用意はいいな!進め!………ん?あ…あれは?」
ペトラ
「どうした?なにかあったのか?」
ペトラ腹心
「誰かが こちらに向かって来ております」
ペトラ
「なに?……どこだ…あれか……あ…あの方は!!!」
ペトラは 慌てて 腹心たちを整列させる それもそのはず こちらに向かっているのは アモンの妹であるレモンだった
レモン
「この慌ただしさは 何?何があったの?」
ペトラ
「はっ!レ…レモン様 第5の塔に 天使が襲撃が予想されており 今から守備に向かうところです…」
レモン
「はあ?塔の異変は 最優先で帝都に連絡でしょ?連絡したの?」
ペトラ
「いえ わたしには わかりかねます 申し訳ありません…」
レモン
「ハァ…なんでわかんないのよ…仕方ないわ わたしが おにいちゃんに連絡してあげるわ」
レモンは 首飾りに手を当て 黒い玉を取り出し アモンに連絡する
レモン
『おにいちゃん 聞こえる?』
アモン
『…ん? レモンか?なんだ?この忙しい時に?』
レモン
『第5の塔に襲撃が来る事 知ってる?』
アモン
『!!!な…なにぃ!?なんだそれ?聞いてないぞ!すぐに 軍勢を向かわせる で 相手はどのくらいの規模でくるかわかるか?』
レモン
「ねぇ あなた 相手はどのくらいの数で来るかわかる?」
ペトラ
「はい 報告では約1000程の軍勢と聞いております」
レモン
「1000?たったそれだけ?ふーん…わかったわ」
レモン
『おにいちゃん 大体1000だって 軍を動かす必要はなさそうよ わたしだけでもいいけど まあ おにいちゃんに任せる』
アモン
『1000?…妙だな…わかった そうだな…すぐに動けるのは…ヒトミとヒデオに頼むか…手に負えそうになかったら すぐに知らせてくれ』
レモン
『あの2人ね そこまでする必要はなさそうだけど まあ いいわ』
レモン
「じゃあ いくわよ」
ペトラ
「え!?レ…レモン様も行くのですか?」
レモン
「そうよ さあ 行くわよ!」
レモンは黒い玉を首飾りに収納し 1人で第5の塔へ飛んで行った
ペトラ
「レモン様に何かあれば 大変だ 急げ!」
ペトラは 急いで軍勢を率いて レモンの後を追いかけた
拝啓 地獄に行ったけど楽しくやってます みるきーうぇい @777milkyway
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