第18話

二つが連なっているのが特徴の指輪だ。


「ノリゲ(装飾品)と迷いましたが、いつも身につけていただきたいと思い選びました」


「ありがとう」


王女が指輪を指にはめようとすると、タンが手で制した。


「待ってください」


「どうしたの?」


「私に、はめさせていただけますか?」


タンが乞うと、王女は顔を赤らめる。


王女が頷くと、タンは王女の手を取り指に指輪を通した。


「な、何か手慣れてるみたいね」


「そんなことはございません。これでも、私も緊張しているのです」


タンの言葉に、王女は耳まで赤くした。


「王女様、この指輪にどんな意味があるか、ご存知ですか?」


「さぁ……分からないわ」


「夫婦は身も心も一つということです」


「え、え!?何を言ってるの?」


あたふたとする王女に、タンはふっと笑う。


「王女様は、私のことが好きなのですよね?」


タンの質問に王女はコクリと頷く。


タンは王女の手を取り囁いた。


「なら、私たちは既に一つに繋がっているということです」


そしてニッコリと笑い、王女に「いつも身につけていてくださいね」と言うのだった。


「えぇ、分かったわ」


王女も頬を紅潮させながらも微笑んだ。

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