校長室での出来事

いまだ、西暦せいれき2024ねんがつにちすい仏滅ぶつめつ)――



 この本生もとじょう優人ゆうと勇者ゆうしゃである』という事実じじつが、おおやけになりました。


 おまけに、日本にっぽんの勇者は、優人だけで‥‥世界せかいでも、勇者は、数名すうめいしか存在そんざいしていません。しかも、男性だんせい勇者は、優人だけなのです。

 すなわち、それだけ、優人は、希少きしょう人財じんざいでした。



 それゆえ、この日、午後ごご、優人は、校長こうちょうしつされました。

 ただし、校長が不在ふざいのため、眼鏡めがね美女びじょ教頭きょうとう(アラフォー)との対談たいだんです。


「あなたは、勇者なので、SP『要人ようじん警護けいごかん』がくこととりました。

 かれらが、到着とうちゃくする午後5時まで、ここでっていてください」


かったぴよ!」


 優人の右肩みぎかたにいる『ピヨちゃん』が、優人をいて、元気げんき返事へんじをしました。

 目下もっか、優人と教頭は、応接おうせつソファーに、かいってすわっています。しかし、教頭は、純情じゅんじょう赤面せきめんしていました。


 教頭『河合かわい亜美あみ』は、世界ファンタジーきです。彼女かのじょ目前もくぜんには、ゆめにまでた‥‥あこがれの勇者ゆうしゃが座っています。

 なので、教頭は、赤面しつつも、ながれゆく時間じかんに、しあわせをかんじていました。



 午後5時、時間どおりに、要人警護官の男女だんじょが到着します。このとき、優人と教頭は、何時いつにか‥‥となり合って、座っていました。

 ところが、警護官たちの視線しせんは、ゆか放置ほうちされている『パンティストッキング』にそそがれています。


 すぐさま、教頭は、その視線にき‥‥赤面しながら、パンティストッキングを回収かいしゅうしました。同時どうじに、彼女は、自分じぶん自身じしんが、素足すあしであることにも気付いて、そわそわしています。

 ピヨちゃんが、あわてて、フォローします。


「ピヨが、処女しょじょ喪失そうしつを、そそのかしたわけじゃいぴよ!」

「フォローになって無い‥‥」


 優人が、ツッコミつぶやきしました。教頭の『亜美ちゃん』は、赤面オーバーヒートしています。他方たほうで、SP男性は、ポーカーフェイスですが‥‥SP女性じょせいが、よろこびの表情ひょうじょうをしていました。



 亜美ちゃんが、わけします。


「わっ、わたしは、教育きょういくてき指導しどうおこなっただけです!」

「処女がぴよか?」


 ピヨちゃんの疑問ぎもんツッコミで、亜美ちゃんは、くちからたましいけだしたような雰囲気ふんいきで、赤面だい噴火ふんかしてしまいました。

 そこで、ピヨちゃんが、ハリセンをします。


「リザレクションぴよ!」

「はきゅ‥‥!」


 ピヨちゃんのハリセンつっこみで、亜美ちゃんが正気しょうきもどりました。



 やがて、なおして‥‥警護官たちが、自己じこ紹介しょうかいをします。


木村きむら隆也たかやです」

有村ありむら和己かずみです」


「よろぴよ!」


 ピヨちゃんが、あかるく挨拶あいさつをしました。警護官は、30だい男性が木村で、20代女性じょせいが有村です。



 しばらくして、優人とピヨちゃんは、亜美ちゃんの純情涙目なみだめおくられながら、警護車両しゃりょうへとかいました。

 優人たちが、ると‥‥亜美ちゃんが、呟きます。


なかしだったかも‥‥薬局やっきょくいかなきゃ‥‥」


 亜美ちゃんは、純情涙目ながらも、深刻しんこくな表情です。



 こうして、亜美ちゃん(ギフトクラス『スナイパー』)が、仲間なかまになりました。

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勇者と聖女の明るい青春ライフ♪(1) 大和奏時 @xraudia_japan

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