勇者と聖女の明るい青春ライフ♪（１）

勇者と聖女の充実生活

機動聖女‥‥見参！

＃西暦（せいれき）２０２４年（ねん）５月（がつ）８日（にち）（水（すい）、仏滅（ぶつめつ））勇者（ゆうしゃ）と聖女（せいじょ）の充実（じゅうじつ）生活（せいかつ）の四日（よっか）目（め）――

　この日（ひ）、本生（もとじょう）優人（ゆうと）は、学校（がっこう）『都立（とりつ）八幡（はちまん）高校（こうこう）』に居（い）ます。また、優人の右肩（みぎかた）には、相（あい）変（か）わらず、立体（りったい）アバター『ピヨちゃん』が乗（の）っかっています。

　ところで、昼（ひる）休（やす）みに‥‥優人が、体育（たいいく）館（かん）の近（ちか）くを歩（ある）いていると、謎（なぞ）の女子（じょし）に絡（から）まれます。その女子の雰囲気（ふんいき）は、差（さ）し詰（づ）め『怪人（かいじん）女子』と言（い）った処（ところ）です。

　怪人女子が、語（かた）ります。

「この学校に、勇者が発生（はっせい）したからには‥‥駆除（くじょ）する！」

　怪人女子が、そう言うと‥‥地面（じめん）から、邪悪（じゃあく）な影（かげ）が『せり上（あ）がる』みたいに、５匹（ひき）の悪魔（デビル）が出現（しゅつげん）しようとします。

　優人は、悪魔（あくま）の出現に、収納（しゅうのう）スロットから長剣（ちょうけん）を取（と）り出（だ）し、構（かま）えました。

＜ギンッ！＞

　長剣を、構えた直後（ちょくご）‥‥悪魔の一匹（いっぴき）が飛（と）び掛（か）かりながら、鉤爪（かぎづめ）を振（ふ）るいますが‥‥それを、優人が、長剣で払（はら）い除（の）けました。

　同時（どうじ）に、残（のこ）りの悪魔も、優人に迫（せま）ります。

　優人は、戦（たたか）いの間合（まあ）いを、組（く）み立（た）てながら、悪魔と１対（たい）１で戦えるよう応戦（おうせん）しています。しかし、状況（じょうきょう）的（てき）には、不利（ふり）な戦いです。

　けれども、悪魔の一匹を、長剣で斬（き）り倒（たお）した時（とき）‥‥戦況（せんきょう）が、好転（こうてん）しました。優人は、悪魔４匹程度（ていど）とならば、勝（か）てそうです。

　そこで、さらに、優人が、悪魔たちの隙（すき）を見（み）計（はか）らい‥‥切（き）り札（ふだ）を使（つか）います。

「流星（りゅうせい）斬（ざん）！」

　優人の叫（さけ）びと共（とも）に、長剣から『幾（いく）つもの光（ひかり）の波動（はどう）』が発生（はっせい）して‥‥刃（やいば）の如（ごと）く、悪魔どもを、斬り刻（きざ）んで行（ゆ）きます。

　そして、わずか２秒（びょう）後（ご）には、悪魔どもが全滅（ぜんめつ）しました。

　ところが、怪人女子から、邪悪な影『黒（くろ）いオーラ』が立（た）ち昇（のぼ）ります。

　程（ほど）無（な）くして、怪人女子が‥‥黒い昆虫（こんちゅう）の悪鬼（あっき）『バッタ魔人（フィーンド）』に変身（へんしん）しました。

　さらに、一瞬（いっしゅん）で、バッタ魔人（まじん）が、優人に詰（つ）め寄（よ）り『重（おも）い打撃（だげき）』を加（くわ）えます。優人は、長剣で受（う）け止（と）めましたが、体勢（たいせい）を崩（くず）されました。

　不意（ふい）に‥‥バッタ魔人の姿（すがた）が消（き）えます。しかし、奴（やつ）は上空（じょうくう）にいて、優人を飛（とび）蹴（げ）りで狙（ねら）っています。

　間（かん）も無（な）く‥‥優人が、飛蹴りを、長剣でブロックしますが‥‥長剣は、砕（くだ）け散（ち）ります。それでも、如何（どう）にか、飛蹴りは、回避（かいひ）できました。

　けれども、優人は、壁際（かべぎわ）に、追（おい）詰（つ）められていました。

　バッタ魔人が、優人に止（とどめ）めを刺（さ）そうと、再（ふたた）び跳躍した時‥‥突如（とつじょ）、華麗（かれい）なる影が、空中（くうちゅう）で、バッタ魔人を蹴（け）り飛（と）ばします。斯（か）くして、バッタ魔人は、見（み）っともなく、地面に落下（らっか）しました。

　間（ま）を置（お）かず、華麗なる影が、地面に着地（ちゃくち）して、名乗（なの）りを上（あ）げます。

「機動（きどう）聖女（せいじょ）オナ子（こ）さん、見参（けんざん）！」

　それは、ピヨちゃんが変身したセクシー美女（びじょ）でした。

　オナ子さんは、バニーガール装甲（そうこう）ビキニスタイルです。また、オナ子さんの腕（わん）脚（きゃく）は、完全（かんぜん）機械（きかい）『戦闘（せんとう）義肢（ぎし）』でした。

　オナ子さんは、豪華（ごうか）グラマーボディー（豊満（ほうまん）なる肉体（にくたい））を、誇示（こじ）するように直立（ちょくりつ）しています。しかも、オナ子さんの呼吸（こきゅう）に合（あ）わせて、装甲ビキニの緩衝装置（サスペンション）が、鮮烈（フレッシュ）セクシーに撓（たわ）んでいました。

　校舎（こうしゃ）の窓（まど）から、生徒（せいと）たちの喝采（かっさい）が、巻（ま）き起（お）こりました。喝采は、男子（だんし）の方（ほう）が多（おお）いものの、大半（たいはん）の生徒たちが送（おく）っています。

　間（ま）も無くして、バッタ魔人が、立（た）ち上がり、怒声（どせい）を上げます。

「邪魔（じゃま）をするな、金髪（きんぱつ）うさぎ！」

　そう言って、バッタ魔人は、空中へと飛び上がりました。

　しかし、オナ子さんは、バッタ魔人よりも、高（たか）く跳躍します。そして、空中後方（こうほう）宙（ちゅう）返（がえ）りで、身体（しんたい）を制動（せいどう）して、飛蹴りの体勢になると、バッタ魔人をシステム・ロックオンしました。

　すると、たちまち、オナ子さんの身体（からだ）全体（ぜんたい）が、金色（こんじき）の力場（りきば）に包（つつ）まれて‥‥バッタ魔人に向（む）かい、瞬間（しゅんかん）加速（かそく）されます。

「オナ子さんキック！」

　オナ子さんのセリフと同時に、鮮（あざ）やかな飛蹴りが、空中のバッタ魔人に命中（めいちゅう）しました。バッタ魔人は、滞空（たいくう）状態（じょうたい）でフリーズしています。

　程無くして、オナ子さんは、着地して‥‥勝利（しょうり）を宣言（せんげん）します。

「勝利こそ、正義（せいぎ）！」

　オナ子さんの宣言の直後、空中のバッタ魔人が、爆散（ばくさん）しました。

　オナ子さんの肉体が、アクションにより、ウルトラセンシュアル（極上（ごくじょう）官能（かんのう））に‥‥たわわに撓（しな）っています。それは、何者（なにもの）をも凌（しの）ぐ、ゴージャスなる色気（いろけ）です。

　校舎の生徒たちは、歓声（かんせい）を上げながら、オナ子さんの『艶（あで）やかなる勇姿（ゆうし）』に見（み）惚（と）れていました。

　こうして、都立八幡高校の平和（へいわ）が、取（と）り戻（もど）されました。