第7話
「水替えよし、
ヤモリは水入れから水を飲む以外にも、
黒っぽい小さな舌が、ペロン、ペロンと水の
《ヒカリの世話も
「まあね。もう五日目だもん」
学習机の上でくるりと一回転した
「ところでタマサマ」
《カミサマじゃ!》
「あ、そうそう、カミサマ。ヒカリが進化するのはいつなの?」
机の上の玉が、カタカタ
《進化、とは?》
「今はヤモリだって言ってたから、進化して変化するんじゃないの? ほら、モンスターを
《進化なぁ……、まあ進化なのかどうかは分からんが、変化はするな》
「どんな風に!?」
机にぐぐっと顔を近付けて聞くと、玉が
《お楽しみじゃな》
「ええ〜っ! カミサマのケチ〜!」
《ケチとはなんじゃ! ケチとは! まったくおぬしは!》
「だってさ、知りたいんだもん」
勇真は鼻を
《どう変わるかは、おぬししだいだと言ったじゃろう、勇真。ワシでもまだ分からないのじゃ》
「そうなの?」
《そうじゃ。ヒカリは、おぬしをしっかり見ているぞ》
言われて、勇真は飼育ケースをのぞく。ケースの中では、ヒカリがケースの中央辺りでキョトンとしていた。もう水を飲むのはやめたらしい。こちらを向いて、ちょっぴり首を
目が合うと、ヒカリはペロと舌を出して、大きな口の周りを
「ねえ、カミサマ。飼い方説明の通りに、毎日新しく水とエサを入れてるけど、ヒカリはケースの
エサは、キットの中に入っていたものを与えている。小袋に入った、小さな
《まあ、生き物なのじゃから、食べたい日もあれば、食べたくない日もあるじゃろう。勇真だって、そうじゃろう?》
「ぼくは人間だもの」
《ほう? なにか違うのかの?》
当たり前のことを言ったつもりだけど、カミサマが聞き返したので言葉に
人間とヤモリ、同じじゃないよね?
「ヒカリはぼくが
《ほうほう、そうじゃな》
「食べなきゃ死んじゃうんだし、本能ってやつで、食べるんじゃないの?」
前に本で読んだ。生き物が生まれつきもっている性質を“本能”と言うんだ。お
《そう思うなら、様子を見ておれば良いじゃろ。ほら、もう行かないと、
「わ! ホントだ。じゃあ行ってきます」
勇真は急いで学習バックを持って、部屋を出て行く。
パタン、と
《さてさて、どんな変化になるかのぅ……》
カミサマのひとりごとが聞こえたのか、ヒカリは再び首を
○ ○ ○
次の日の朝、
「また食べてないや」
エサが多いのかな? 入れる量を少なくする? でも、全部食べてる時もあるし……。
考えていて、ハッとする。今はのんびり考えている
水入れの水は昨日のまま、手付かずで残っているようだ。勇真はとりあえずエサ入れに新しいエサを
「行ってくるな。いい子にしてろよ」
笑顔で声をかけ、勇真は学習バックを持って、急ぎ足で出ていった。パタンと
○ ○ ○
今日もとても暑い日だ。
勇真は
食後に部屋に
「ウソだろ!? カミサマ! カミサマ!」
《なんだ勇真、
「ヒカリが変だ、元気ないよ!」
小さなヤモリは、
『なんで!? 朝は元気だったのに!』
《勇真が世話を
「……
《なまけたということじゃ》
ドキッとした勇真は、それでも首を振った。
「なまけてないよ! ちゃんと水もエサもあるのは確認したし」
《
「あ……」
確かに、今朝は急いていたから、
「で、でも、水入れに水はあったよ!」
《そうじゃな。だが、ヒカリは水入れの水は飲まない。知っていたろう?》
ヒカリは
「でも、……でも」
《まあとにかく、早く
「う、うん!」
勇真は急いで
勇真は、ポツリとつぶやく。
「ヒカリ、元気出せよ……ヒカリが死んだら、また自由研究が出来なくて困るんだから」
ギューッ!
「え……?」
砂の上に
「すごい! 進化した!?」
ケースの中に手を
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