羅針盤
貝殻には
ねじくれた憎悪の蒼
ぼくの右手には
いつも赤い月
のみこもうと
のみこもうとして
くだける波
とび上がりたくても
はじける泡
波には
わきかえる憎悪の白
いつものとおり
いつものとおりの羅針盤
あれは泣き声? あれは波? あれは 雲が月にさわる音?
それからは 鳥も鳴かない。 ひとでをつぶしたのは誰?
ひとでを殺したのは 誰! おとむらいはきのう。 おとといは婚約。
骨もくずれ。 泡粒もはじけ。 淡い希望? 苦がくない砂なんてない!(空はまだらに。 あ。
腐ってゆく。
小さなヤドカリ。 脱皮したての幼いカニ。 ウミウシ。)
憎しみの泡から
生まれたのはヴィーナス
嘔吐の白い道さえつづき
ぼくの右手に
いつも赤い月
いつものとおり
いつものとおりの赤い月
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