第4話 ステータス
「へー、ステータスなんてあるんだな」
俺も確認してみようか。
「ステータスオープン」
【レベルがあがりました】
え?
レベルアップ?
もしかして、さっきダンジョンに行ったとき活動したから、そのときの経験値で上がったのかな?
【レベルがあがったのでスキルを獲得しました】
え?
スキルまで?
いいんですか?
名前:白石 達也
レベル:5
攻撃力:15
防御力:15
魔力:45
スキル:【武器作成EX】
(なんだ?この武器作成ってスキル)
なんなんだろう?
ピンとこないけど。
とりあえず試してみるか?
使い方はゲームと一緒でいいのかな?
こんなスキル原作にはなかった気がするけど。
えーーっと。
「武器作成」
【スキルウィンドウが開きます】
ブン。
【作成する武器を選んでください】
→鉄の剣
・オークの剣
そのあともずらーっとリストが並んでいた。
その中に目を奪うような武器があった。
・ペガサスソード
「うそ、この武器もう作れるのかよ」
原作でも最強と言われていた武器だった。
原作はエロゲーのくせになぜかエンドコンテンツがあった。
そのエンドコンテンツを完全制覇した人間だけが作れるという究極の武器。
振れば敵は吹き飛び、持っていれば人々は恐れおののく。
そんな最強の武器だった。
でも
「さすがに素材ないよな」
エンドコンテンツで手に入る素材を使った装備だし、今の現状の素材では作れない。
とりあえず、諦めようと思ったのだが。
「ん?ちょっと待て、なんだこれ?」
素材を選択する項目なんだが、ちょっと不思議なことになっているようだった。
【ペガサスソードを作成するため使う、素材の収納先を選択してください】
→アイテムポーチから選ぶ
・ゲームのデータから選ぶ
「ゲームから選ぶだって?そんなことできるのか?」
とりあえず、押してみよう。
しかし、
【現在、使用可能なデータが見つかりません。データを作成してください】
となっていた。
(ゲームが手元にないと、ダメなのかな?)
だが、逆に言えばデータがあればゲームから素材を持ってき放題ってわけかな?
俺のゲームデータだけど、無駄にやりこんでいたので素材は腐るほど手に入る。ペガサスソード意外にもいろんな武器を作ることができる。
(となると、やはり第一目標はゲームの回収だな)
どこにあるのか分からないけど、探し出さないと。
それより、せっかくだしいま作れる装備でも作っちゃおうかな?
いちおうだけど、現実世界の今の素材で作れる装備もあった。
【鑑定の眼鏡】
という装備は、オークの宝玉と神秘の薬で作ることができた。
そのため、とりあえずこれを作成してしまう。原作でも大活躍だったし。のちのち、役に立ってくれると思う。
窓の外を見た。
(もうこんな時間か)
気付けばすっかり夜になっていた。
両親はいつも仕事で遅い。
そのため、一人で食事をすることが多いし、飯の用意は自分でしないといけない。
(なにか適当でもいいから食べようかな)
そう思っていたら。
ぶー、ぶー。
スマホが鳴った。
(親からかな?)
スマホをとり出してみると。
違った。
桐生:よー、今近くまで来てるんだ。お前、今日もひとりだろう?一緒に飯食わね?奢るぜ?
俺の唯一の友達からの誘いだった。
俺、友達めっちゃ少ないんだよな。
そのため、この誘いを蹴るなんて選択肢は今の俺にはなかった。
てか、おごりなのに飯行かないバカがどこにいる!
ってわけで、俺は近くのファミレスまでやってきてた。
令和最新版のイヤホンと【鑑定の眼鏡】をつけて。
桐生はすでにファミレスにいるらしいし、俺も中に入った。
するとすぐに桐生は見つかった。
奴はテーブル席にいた、俺は対面だ。
「まぁ、好きなもん食えよ」
太っ腹である。
ありがたく、いろいろと注文することにした。
「それよりなんでこんなとこにいたの?」
桐生の家はここからそこそこ離れた場所にある。
普通ならこいつがここにいることはない。
「ダンジョンだよ。この近くにあるから見に来たんだよ」
なるほどな。
こいつもダンジョンが気になっていたようだ。
「んで、お前こそなんだ?その眼鏡。イメチェン?」
(あんがい、似合ってんじゃねぇか)
というのは桐生の胸の内の言葉だ。
この眼鏡をつけてるとある程度胸の内が見える。
目の前の人間が嘘をついているのかが分かったりする。
(似合ってるか、照れちゃうなぁ)
男だとしても、褒められるのは案外うれしいものだ。
「んで、そのイヤホンは?」
「令和最新版のイヤホン。めっちゃいいよ」
怪訝な顔をしていた。
「なんか、怪しい宗教にでも入ったのか?」
「令和最新版教?それもいいかも。俺は令和最新版に命を救われた」
そうして、俺たちが話をしていると、
「いらっしゃませー」
新たな客が入ってきたようだ。
俺と桐生は同時に目をやった。
「うわあ、女帝だ」
桐生の呟き。
にやにやしてた
「それにしてもあれがお前の幼馴染かぁ」
俺たちが言う女帝というのはひとりしかいない。
佐山 優香。
俺の幼馴染だ。
「はぁ」
目を伏せた。
目を合わせないように
俺は彼女に嫌われてる。
そのためあんまり関わりたくない。
(それにしても、いつからこんな関係になったんだろう)
幼稚園、小学校の頃は中がよかったんだけど。
いつの間にか俺はクラスの陰キャ、向こうは女帝。
当然会話なんてなくなった。
こうなっていた。
俺が俯いてると
「あれ?白石くん?」
声をかけられた
顔を上げる。
そこにはやはり佐山 優香の姿。
(なんで俺のこと見つけるかなぁ)
内心でため息。
「隣いい?」
「好きにしたら」
なんで俺のとなりがいいのか知らないけど
(どうせ、内心では俺のこと馬鹿にしてるんだろうなぁ。そりゃ、そうだよな。こんなキモオタ馬鹿にもしたくなるだろう)
そう思いながら女帝の方を見た。
やめときゃいいのに。
そのせいで見えてしまった。
女帝の内心が
(え?やば!こんなところで達也に会っちゃった♡♡♡しゅきしゅきしゅきーーーーーー)
ふぇっ?
ゲーム世界が半分くらい日本に来ました!引きこもり高校生の俺がゲーム知識とチートスキルで多数のダンジョンを制覇していく話。ついでになぜか俺を嫌ってるはずの幼馴染になつかれました にこん @nicon
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