同級生の弟

友人は、同級生の弟と一緒に働いていたらしい。


彼らは、優れた職に就いていた。

弟君は、陽気で明るい奴だったという。


ある日、飲みの場で弟君が「僕、両方いけるんですよ」と笑い、「やだぁ、やめてよぉ」と友人は冗談めかして返したそうだ。


弟君は、その界隈では有名で、百人斬りの腕前らしい。

そして、百人斬りを達成した後、自ら命を絶ってしまった。


百人の人々との交流がありながら、それでも彼は孤独だったのだろうか。


日頃は口にしたくはないが、こんな時には、「みんな違ってみんないい」と言いたくなる。



動物的本能が嫌悪する事もあるだろう。


しかし、自分の「普通」が、誰かの「普通」でないことなど、よくあることだと思う。


「みんなが、ちょっとずつ我慢して、みんなで幸せになることが一番良い」と、僕は思っている。

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タナトフォビア @omuro1

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