尊厳死
祖母が亡くなり、何年経つだろう。
生前、「早く死にたい」とこぼした祖母。
幸せとは、何なのだろうか?
死ぬのが怖い僕にとって、尊厳死は必要のないものだと思われた。
しかし、過去には「もう死んでもいいかな?」と思う瞬間も確かにあった。
そして、祖母の言葉。
もし尊厳死という選択肢があったのなら、祖母はそれを選んだだろうか。
それは、無駄な苦しみを回避するための合理的な手段ではある。
だが、その選択は、決して軽いものではない。
尊厳という言葉は、いったい誰の尊厳を見ているのだろうか。
祖母が亡くなった今、僕は漫然とした暮らしの中で、尊厳死の有無など、どっちでもいいし、どうでもいいと考えている。
しかし、どうせいつかは死ぬのだから、死にたい時に死ねることが究極の自由であり、最も人間らしい生き方なのかもしれない。
終わりがあるからこそ、全力でやりきれるということもあるだろう。
全力で生きた人間に、有終の美を。
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