処刑台行進曲②

 アルファⅡモナルキアには特殊なオーバードライブが存在している。

 悪性変異体を鎮圧する場合にのみ使用可能な、超高倍率破壊的抗戦機動。

 最高加速倍率は百倍を超える。『オルタナティブ・ドライブ・オペレーション』という呼称は存在するが、正式なものではなく、データベースには短縮形らしい『オルタ・ドライブ』や『アルタ・ディメンション』など、様々な仮称が雑多にそのまま登録されている有様だ。統合支援AIユイシスの助けがなければ、全く同じ機能が別々の名前で多重登録されていると認識されている、との結論に至るのも難しいだろう。

 この名前すら不確かな上位戦闘機動は、アルファⅡモナルキアの本質たる機能を完成させる過程で、副次的に成立したもののようだった。発現は偶然で、使用可能だという事実が判明した後も、さほど綿密に検証は行われなかったらしい。

 生体脳をベースとして各種の能力を強制的に向上させるオーバードライブと現象は似ているが、実際には発動機序も異なる。

 最大の特徴は、主導権が生体脳ではなく人工脳髄の側にある点にある。


 どうやらこれが自分たちアルファⅡモナルキアの独自機能であるらしい、とリーンズィが気付いたのはここ数日のことだ。

 ヘンラインやコルトたちと赴いた調査任務において、クイックシルバーと呼ばれる悪性変異体と遭遇した際、リーンズィは初めて能動的にこの機能を使用した。

 そしてこの機能が、ある意味でカタストロフ・シフトと真逆の性質を有することを発見した。


 滅亡したどこかの世界へと転移するカタストロフ・シフトは、まさしく予測不可能な危険をもたらす。言わばカオスの海への投身であり、漂着する先は神の如く君臨する<時の欠片に触れた者>の匙加減で定められる。

 対して、オルタ・ドライブにおいて、究極的な加速に到達した世界は、一切の変化を許容しない。


 見えるもの全てが欺瞞に変わる。そのように記述するのが適切だろう。完全なる空虚が根を張って世界を侵食し、あらゆる事物が例外なく静止する。

 有史以来そのようにあるべしと定められたかのごとき創造物たち。自分の脈拍、蒸気機関の鼓動など聞こえはしない。肉体から心臓が欠落する。音という概念が世界から切除される。自分自身に手足が備わっているという事実すら信じられなくなる。吹き飛ばされた灰は微動だにせず、大気は固形化して息も出来ない。皮膚感覚すら断絶して、ただ凍て付いた風景だけが許される。

 孤独。完全な孤独だ。

 リーンズィは初めてオルタドライブを起動したとき、目には見えない恐ろしい存在によって、遠い時間、灰色の地平線、その先にある名状しがたい牢獄、全ての可能性が喪われた世界に、自分だけが放り込まれてしまったような気がした。身体動作の不自由さにも焦燥感が付きまとった。首輪型人工脳髄の演算能力でも、認知能力の加速までは可能だったが、身体制御まではとてもリソースが回らなかった。

 誰と触れあうことも出来ない、自分の体さえ満足に扱えない。究極の孤独に晒されてすぐに怖くなり、倍率を落とし、クイックシルバーの不規則な起動に追従できる程度までに減速したのだった。

 

 カタストロフ・シフトも危険ではあるが、オルタ・ドライブ起動に伴う閉塞感も形容しがたい。丸きり全ての自由が自身ではなくむしろ世界から失われることへのストレスは甚大なものだ。

 強力な機能ではある。たいていの場合において、相手がこちらを認知するよりも速く行動できるのだから、絶対的であるとすら言える。ただし、負荷が不釣り合いなほど大きいため、常用できる機能ではなかった。そもそもスチーム・ヘッドやパペットと戦闘するには加速度が過剰すぎるのだ。使う場面は特殊な悪性変異体と対峙した場面にしかあり得ない。

 作りかけ、未完成のままで放置されていたにせよ、使い途はそれぐらいしかないと当初から予見されていたのだろう。この特殊なオーバードライブのロックが解除されるのは、総合的に悪性変異体との戦闘が避けられない場合に限定されていた。


 それを知っているからこそ、リーンズィはオルタ・ドライブを利用して駆けつけてくれたヴォイドに、思わず不安な声を掛けてしまった。


『ヴォイド……? 何を、している……?』


 少女の声は、上ずっていた。

 リーンズィは満身創痍だ。ケットシーの猛攻を凌いだ代償として、腕部の甲冑はボロボロで、何度かは骨肉にまで斬り込まれている。

 それでもリーンズィの意識は己が同胞にして親機たるアルファⅡモナルキア・ヴォイドに集中していた。

 オルタ・ドライブは究極の虚無の世界への突入だ。そこは何もかもが静止した行き止まり。ただ足を踏み出すだけでも全身が圧壊する程の負荷がかかるに違いない。

 そう易々と起動できる力ではないのだ。


 なのにアルファⅡモナルキア・ヴォイドは多大なリスクを飲んだ上で救援に駆けつけてくれた。

 全身に血煙と蒸気を甲冑の如く纏ったアルファⅡモナルキア・ヴォイドがどうやってオルタ・ドライブのロックを解除したのかは、ヴォイドと同期して『K9BS使用』『危険/悪性変異進行率:100%』のタグがついているのを確認した時点で理解出来た――自分自身に悪性変異体の因子を撃ち込むことで無理矢理発動条件を満たしている。


 百倍速の世界での継続した活動は、文字通り致命的だ。バッテリーは一瞬で干上がり、重外燃機関が無ければ継続起動は困難。不滅にして不朽であることを約束された生命であったとしても、凍り付いた世界の深海のごとき圧力には到底耐えられない。生命管制が完全でないならば、オルタ・ドライブに突入した瞬間、その機体を構成する全ての要素が崩壊する。たちまちに肉体は圧壊し、まもなく人格記録媒体に収録された情報までもが不可逆的な変質を遂げるだろう。

 イカロスと同じ結末など生温い。無謀な飛翔を試みた機体は蝋の翼を融かされることさえなく、ただ無様にも空中を転げる肉のペーストとなって終わるはずだ。

 そしてアルファⅡモナルキアのような極めて高度な生命管制能力を持つ機体ですら、その速度の世界では100%の実力を発揮できない。加えて、ただ移動に利用しただけで、信じられないほど多くのものを対価として奪い去る。現にヴォイドは幾つかの臓器を完全に破裂させてしまっている。

 人工脳髄が一時的に機能を代替しているのだろうが、生体脳の無事も怪しい。


 端的に言えば、オルタ・ドライブは欠陥機能だ。

 それを躊躇無く使用してここまで駆けつけてくれるとは、リーンズィは露程も想像していなかった。


『無理な加速をすれば、壊れてしまうのだな、壊れてしまうの。どうしてそんな無茶を……』


『自身の意志決定の最終権利者を援護しない機体はいない』

 外れて砕けた関節部を修復しながらヴォイドは淡々と返事をした。

『子機を守れない親機には、調停できる戦闘も存在しない』


 援軍は有り難いばかりだが、しかし調停防疫局のエージェントとして一体幾つの機能を不正利用したのか、見当が付かない。

 これでいいのだろうか、とリーンズィは少しだけ憔悴した気持ちで考えた。


 その間に、見えざる手に脳髄を掻き回される。

 リーンズィは異物感に身を竦ませた。どうやらヴォイドがリーンズィの記憶領域を無遠慮に閲覧したらしい。


『状況は把握した』


 他の機体には共有していないプライベートな記憶まで漁ったあとで、ヴォイドは何事も無かったかのように水兵服の少女と向かい合った。


『こちら調停防疫局のエージェント、アルファⅡモナルキア。東アジア経済共同体、葬兵ヒナ・ツジに告げる。我々調停防疫局は、君との戦闘を望まない。どうすれば交渉の席に座るか。回答を求める』


『すごい……なんかボスっぽい人が来た……』

 ヒナはいかにも嬉しそうにぼそりと呟き、それから居住まいを正した。

『決まってる。椅子に座るなんて、両足がついてるうちは認められない。あなたがヒナに勝てないなら、テレビの前の皆は納得しない。だから何か言うことを聞かせたいのならヒナを殺してみせるべき。あとこれはとても大事な設定、今のヒナは、ヒナ・ツジじゃない。ブランケット・ストレイシープのケットシー。これがみんなからの愛称』


『ではケットシー、不本意ながら貴官の制圧を開始する。君という個性の存続を、防疫局は保証しない』


 そして左腕部ガントレットの文字盤で文字し、弾丸を装填するかの如く意志決定のレバーを引く。

 右腕をケットシーを向けた。

 腕が前方に向かって爆裂した。

 リーンズィには、何の予徴も無く蒼い暴風が吹き荒れたようにしか見えなかった。自分自身に鎮圧拘束用有機再編骨針弾を使用し、限定的な悪性変異をもたらすダブルクロス・モードだ。

 ヴォイドの右腕を再構築して生成された蒼い薔薇の群れは、姿無き百人隊が繰り出す無数の槍へと変貌し、人体という脆弱な器からは到底発生し得ない速度でケットシーの元へ殺到した。

 リーンズィの二十倍に加速した世界の知覚でさえ、たった一条の茨の一撃を補足することが出来ない。それが数十にも分岐して、一斉に突き込まれるのだ。おそらくは使用したヴォイドにすら、己の右腕が変容した獰猛な群体がどのように動作しているのか把握していない。

 だがケットシーは即座に対応した。


蒸気抜刀じょーきばっとー――九頭龍斬殺剣トツカ・ブレード


 槍衾に真っ向から斬り込んでいった。

 それどころか、斬り込んだ、とリーンズィが認識したときには、舞い踊るような動きで茨の群れへ突っ走っている。

 傍目にも自殺行為にも等しい。

 にも関わらず、茨どもの矛先は、ケットシーの雪花の肌に、ただの一筋も傷を付けていない。


 全て、全て、全てが切り払われている。振るう剣はこれまでのカタナよりも幾分か長大である。背部蒸気機関にマウントしていたトツカ・ブレードなる大型カタナを、不可知の加速領域で抜刀していたらしい。蒸気が爆発的に線を引いている点からして、圧縮蒸気の噴射を利用して超高速の居合抜きを繰り出す技のようだ。

 実態がどうであれ、蒸気による加速などたかが知れており、不滅の青薔薇の圧倒的な物量の前で問題になるものでは無いため、基本的には純粋な技量によって切り捨てたはずである。


 かつてウンドワートさえ怯ませたその蒼の奔流を、少女は全く恐れなかった。

 右腕部を怪物に変貌させたエージェント・ヴォイドが神話の怪物なら、ケットシーはそれを打ち破る英雄に他ならない。そう思わせるだけの勇猛さと可憐さがその制服姿の少女には備わっていた。

 あるいは運命論的な斬撃、遙か以前からその空間に『切り裂かれる』という約定が存在していたとしか解釈できないような不可解な太刀筋で血を啜る蔦を打ち払い、予定調和とばかりに躊躇無く掻い潜ってくる。

 その色素の薄い面貌を歓喜と愉悦に赤らませて、口の端には凶悪な笑み。殺戮の奔流を遡り、茨の川の主たるヴォイドに肉薄しつつある。


『あは! あははは! すごいすごい、ヒトの形を残してるのに悪性変異体マモノの力が使えるんだね! いいよ、すごくいい、すごくいい絵になる! こういうの久しぶり!』


『バケモンどもには付き合ってられんのう』


 輸送用パペットから折れた刀剣の代わりを引き抜きながらケルゲレン。

 常軌を逸した戦闘を目に映してほうけているリーンズィにも、短槍を手渡してくる。


『ほれ、一応持って、備えておけ。どちらもいつまでも続けられる動きではあるまい』


 反射的に武器を受け取りはしたが、ケルゲレンの指示は殆ど聞こえていなかった。リーンズィは信じがたい光景を前に立ち尽くすばかりだった。

 あの恐るべきもう一人のアルファⅡ、解放軍最強と目されるウンドワートにもまるで通じない技ではあったが、基本スペックで差があるのだからと納得は出来た。

 しかしケットシー、全身装甲型どころか防御力と言えるものが殆どないようなスチーム・ヘッドが、蓋然性の暴力で空間を埋めつくさんとする蒼い薔薇の槍衾を、平然と、それも真正面から食い破ろうとしている。

 道理や条理に従っているとは思えない異様な光景だ。


 ついにケットシーが、ヴォイド本体をトツカ・ブレードの射程内に収めた。

 その瞬間、この宇宙の常識を無視した異常な光景が現出した。

 像が震動したと見えた瞬間には、既に横凪ぎの一撃が振るわれている。世界ごと切り裂くような一閃――ただし不可知の領域で攻守が逆転していた。


 仕掛けた側である筈のケットシーはブレードの茎を突き出して防御に転じており、ヴォイドがガントレットの左腕でもって強烈に加速したストレートを叩き込んでいる。獲物を捕らえ損ねたスタンモードの電流が大蛇の舌のように茎を舐める。

 返す刀が空中に同時に七つの閃きを描き、そうして引かれた雪夜にかかる月の如き銀色の円弧を歪なガントレットの七つの残光が打ち砕く。くるりと舞った可憐なセーラー服のはためく裾とスカーフと蒸気の尾を引いて無軌道に跳ね回るケットシーを追う蒼い茨の群れ。悪性変異は加速しつつある。茨はカタナに切り落された傍から時の庭に根を張り世界の枝に絡みつく名も無き悪意の茂みと化して際限なく再生して残像を貫かんと絡まり合い捻れて狂う。


 人知を越えた領域の攻防は時間から脱落したかのように生じる一瞬の静止によってのみリーンズィの視覚に映じた。

 青い蔦に攻撃を任せ、ケットシーの太刀を拳で迎撃するヴォイド。出鱈目な速度で展開する茨の檻を切り捨てて四散させ、奇怪な軌道からヴォイドの喉笛を切り裂かんとするケットシー。

 一見して迎撃に成功し続けているヴォイドに分があるようだが、同水準のスチーム・ヘッドの戦いは常に攻撃側に分がある。

 敵の攻勢に一拍遅れるたび、敗北の運命は負けるべき者に歩み寄る。

 カウンターの一撃を狙うばかりのヴォイドは、槍衾の展開するパターンを読まれるほどに不利となるのだ。


 やがてその時が来た。

 少女の手の中で、柄が滑る。

 瞬間的に射程を延長されたトツカ・ブレードが、ヴォイドの右腕、茨を噴出させる悪性変異の病巣を切断した。

 統御を喪った蒼い薔薇は暴走を防ぐ目的で即座に不活性化。

 魂無き追跡者たちを無力化させたケットシーが一挙に優勢を得た。

 閃く大刀の軌跡がアルファⅡモナルキアの首を切断せんと繰り出される。

 

 だが真に一手を先んじていたのはヴォイドの方だった。

 ガントレットはトツカ・ブレードを無視して、自身の切断された茨の腕を殴り飛ばしていた。

 極限のオーバードライブ環境下において、切断された右腕部はまだ左手のガントレットが届く位置にある。

 スタンモードを利用して、悪性変異体の肉片へとパルス化した起動指令を組み込んだ電流を流し込み、ケットシーへ向けて殴り飛ばしたのだ。

 目を見開く少女の眼前で、変異を集約された腕部に仕組まれたプログラムが起動。


 爆裂した。

 茨の先に蕾が芽吹いたのを、誰も視認しなかった。

 須臾の狭間で爆発的に増殖した茨の群れは供与された熱量の全てを転換して青い花の群体となり、1ミリ秒だけ持続する穂先の大波となってケットシーを包み込む。

 悪性変異体<青い薔薇ブルー・ローズ>のオーバードライブだ。

 自然に発生した同タイプの悪性変異体がこの動作を実行した事例は存在せず、調停防疫局においても、アルファ型のエージェント以外はこの現象についての知識を与えられていない。


『どうだ。乱数で生成される究極の蓋然性の壁だ。これが無効ならば――』


 ヴォイドの声には諦観の響きがある。

 気付けば、ケットシーの姿が掻き消えている。

 茨の奔流が収束した、その数歩離れた位置。

 セーラー服のスカートが、静止した時間の中で波打っている。

 熱量を消費し尽して枯れ朽ちた<青い薔薇>を背にして、その足取りは花弁はなびらの舞い散る様に似る。

 

 リーンズィは目を凝らす。

 槍衾の触手の群れは、命中してはいる。不朽結晶繊維で防護された胸部は無事であるにせよ、内股や首筋など、露出している部位に刃が通った痕跡が見える。

 今、オーバードライブを解除すれば、傷口から血が零れるだろう。


 だが、それだけだ。

 とても決定打とは言い難い。


『これが無効なら、現状の戦力では打倒のしようが無い。エージェント・リーンズィ、ケットシーの動きは読めただろうか』


 もちろんリーンズィにも、ケットシーの異次元の機動など認識出来ないが、ヴァローナの瞳により、後追いの理解を得ることは出来る。


『……彼女は剣を振るい、庭師の如く茨を払った。爪先で触手をいなし、制服の表面に茨を這わせて滑らせ、危険な進路にある茨の波を革靴で渡って見せた……』


 恐るべき波を避けいなしたことで一つの限界、あるいはピークに達したのだろう、戦場にあるまじき忘我の貌、恍惚の気配を立ち上らせて空を仰いでいた黒髪の乙女は、全身から赤い体液を滲ませながら、しかし未だ余裕を残している。

 そうしてスカートの下から伸びる脚を見せつけるかのように伸ばし、革靴の爪先を頭頂にまで高く掲げたかと思うと、背後から奇襲を仕掛けようとしたケルゲレンを足蹴により迎撃した。

 全く逆方向を向いていたにも関わらず、インパクトの瞬間には真正面から装甲を蹴りつけている。

 世界からフレームが欠けたかのような異様な動作速度にそのペンギン級スチーム・ヘッドは対応出来ない。

 さらにケットシーはケルゲレンを足場として利用し、さらに蒸気噴射により跳躍。稲妻のように急下降して、四本腕の倒立姿勢から脚部のプラズマバーナーの直撃を狙っていたグリーンに標的を変更。

 トツカ・ブレードの一振りで牽制し、起動タイミングを逃がしたプラズマ発生器の先端に革靴を乗せて再び着地。

 熱が伝播する前に舞台を支配する踊り子のごとく優雅に身を翻すと噴射機の一基にセットされている短刀を抜いて投擲。

 密かに再生を終えていたイーゴの頸部を、彼が動き出す前に再び断裂させた。


 一瞥する時間すら無かったはずだ。

 だというのに、ケルゲレンたちの一連の動きが、イーゴによる奇襲をカバーするための布石だと看破していた。

 ケットシーにはエージェント、<首斬り兎>、サムライなどといった言葉さえ不適当だった。

 それを捕まえることは誰にも出来ない。

 兵士たちは、人間の形をした黒い蝶に翻弄されている。


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