【ASMR台本】世界大会に行く彼女と挫折した僕の別れ… ※第3回「G’sこえけん」参加作品

代仙ハク

第1話 「補講と学校と脚光」

 幼馴染の彼女は今脚光を浴びている。我が校で初の現役での世界スポーツ大会出場予定のサッカー選手だ。

 そして僕は学校で土曜に補講を受けている帰宅部の一生徒でしかない。

_____________________________


 【補講が終わり他の生徒が教室から出ていくが入れ替わりで幼馴染で彼女の結菜が教室のドアが開け入ってくる】

「補講終わったの?一緒に帰ろうよ。」


 【結菜が前の机の席に座るが僕は補講の宿題をここで済まそうとペンをカタカタと走らせる】

「えっ?そうだよ、日本代表への合流は明後日から」

「9月からはプロのクラブチーム入るから今日が部活最後のお別れの挨拶だったんだ」

「代表合宿は1ヶ月で、そこからパリに行って世界大会だから健斗とは2ヶ月くらいお別れだね。」


「もう続きは家でいいじゃん、帰ろうよぉ…。なに家じゃやる気でないって、私が健斗の部屋で手伝ってあげるし」


 【結菜と僕は席を立つ】

「健斗は明日暇?オフは明日しかないからどっか行かない?」


 【教室のドアを開け廊下を歩く、結菜は僕の腕を掴みブラブラさせる。】

「やった!じゃあ明日朝から起こしに行くね、あのね映画館とかどうかな…。」

「なに?あの映画子供っぽいとか言うな!いいじゃんたまには」

「健斗が怪我してからどこにも行けてなかったし、映画館ならそんなに歩かなくていいし」


 【靴箱で履き替えてると結菜は後輩に話しかけられているので僕は先に帰る】


「ちょ、待ってよぉ…。」


 【校門で結菜が走って追いかけてくる】


「なんで先行っちゃうのかなぁ」

 【結菜は少し息を切らせながらわざとらしくため息を突く】 


 【いたずらっぽく両腕を絡むように組んでくる結菜】

「いいじゃん、誰も見てないよ。それともアレが当たってるから恥ずかしいの?」

「って、小さいとか言うな。まぁそういうお年頃だもんね、けーんと君。」


 【バス停からバスに乗り込む僕たち。一番後ろの席に座るが、チラチラと他の生徒から見られる結菜】 

「う~ん、有名人はツライなぁ…なんてね。日本代表だからまぁ…。」


 【お互い無言になりバスに揺られる、周りではひそひそ声で結菜は指を差される】 


 【バスを降り少し歩き僕の家の玄関に着く】 

「健斗の家に上がるの久々だねぇ、今年はお互い忙しかったもんね」


 【僕は家のドアを開ける】 

「あれ、優子おばさんはいないの?うわぁ男子の家で二人きりだ!健斗君に押し倒されちゃうよ♡わっははは!」

「BBAくさい笑い方とか言うな!」

「うん、じゃあコーヒーお願いしていいかな?ミルクたっぷりで♡先に部屋に上がってるよぉ」


 【僕はコーヒーをお盆に持って自室に入る。結菜は僕のベッドで寝転がっている。そしてスカートはまくれあがっている】 

「うわぁ…、健斗部屋に入るなりパンツ見てくるの早すぎない?はい残念でしたぁ黒短パンです!」

  

 【僕はテーブルにコーヒーを置き、ベッドに座る】 

「えっと…、あの…。その。近いよぉ」

「この前初めてキスした時、その後の事はパリの世界大会終わってからって約束したし…。」


 【僕はふざけて、結菜がそういう事期待して家に着たかと思ったと冗談を言う】  

 【怒る結菜】  

「うっざ、期待とかしてないし何でそんなこと言うの?そりゃキスくらいは…。」

「別に…いいけどさ…。」


 【僕は結菜に目を瞑ってと言う】  

「うん♡」


 【少し沈黙が流れる】 


 【僕は結菜を放置して鞄から筆箱を取り出し補講の宿題を始める、結菜は待ちきれず薄っすら目を開け騙されてたのに気付きキレる】  

「ほんと、マジでうざい、もう帰る。」


 【結菜が立ち上がって帰ろうとするのを制止しようとした時、少しよろけ2か月前に部活引退のきっかけとなったアキレス腱の傷が痛む】 

「あっ、大丈夫?」


 【結菜は僕の元に歩いてきて、足を触る】 

「まだ痛むんだね、ごめんね。病院の先生はなんて言ってる?」

「そっかぁ…、後5ヶ月か。健斗テニス頑張ってたのにね。」


 【少し空気が重くなったので結菜は僕の耳元で冗談っぽく囁く】 

「今日は健斗の部屋に泊まっていいかなぁ~??」

「おいおい、本気にするなよ、健斗君。」


「あのね、本当は代表に合流するの怖いんだ…」

「だからね、こうやって健斗に構ってもらって感謝してる…」


 【そして結菜は僕の頬にキスをした…】

「えっとね、これは一応感謝のしるしと言うか、まぁ、ええと…」

「あのね、明日……映画館の後に…」


「あれ!優子おばさん帰ってきたんじゃない、ちょっと挨拶してくるね」


_____________________________

 結菜は何かを言いかけてたが、母親が帰ってきた音でそう言うと部屋を出ていく。


 僕らは次の日動物園に行くのだが、僕は自分の弱さや嫉妬から結菜を快く日本代表に送り出せなかった…





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