第122話 ★
〜里恵視点〜
私がリビングに行くといい匂いがします。けど、いつもと違うような?…って、パン!?あのお母さんが?普段は朝はご飯のお母さんなのに?
私は半ば確信しながら守君に問いかけます。守君が作ってくれたのかって。そうしたら食べたいって頼んだだけだって。…確かに好き筋は通ってるけど、守君がそんなこと言うのかな?私にもあんまり希望とか言ってくれないのに?…ま、まぁ、えっちなのはなぜか断られちゃってるんだけどね。って、そんなのはどうでもいいの!
まだ納得はできないけど冷めちゃったらおいしさ半減なので早速食べてみます。…うん、やっぱり。
感想を聞かれたので正直に答えます。美味しいって。でも、お母さんのとは言葉にできないけどなんかちょっと違うんです。疑ってたからかもしれませんが、これは絶対にお母さんの作ったものじゃありません!
…やっぱり、守君が作ってくれたものなんだよね?なんで言ってくれないのかな?守君の手料理だって分かってからの二口目の方が最初の何倍も美味しく感じるのに!
でも、守君も自信がなかったからだって。…そっか。私と同じ気持ちだったんだ。私も守君に初めて料理を作ったときは緊張したもん。…昨日の夜だけど。
…あれ?ちょっと待って?私は昨日失敗したハンバーグだったんだよ?それなのに守君はこんな美味しい朝ごはん作ってくれたの?…守君って私よりもずっと料理上手なんじゃ?
何故かものすごく負けた気分です。今まで私は料理なんてしなかったから仕方ないとは思うけど、やっぱり女の子として負けたままじゃいやです!…でも、どんなことでもできちゃう守君は好きです!!
…それでも、私だって守君のことならちゃんと分かるんですからね!だって守君のことをずっと見てるし…って、恥ずかしすぎるよ!?
私が恥ずかしくて守君の顔を見れなくなっているとお母さんに揶揄われました。な、なんで!?そっとしておいてくれてもいいじゃん!!お母さんのバカ!!
そんなときです。ふと横からなにやら温かい目で見られているのに気がつきました。…って、守君!?ど、どうしよう!怒ってるって思われた!?ち、違うの、守君の作ってくれた料理がイヤだったわけじゃないの!!
…それでも守君はやっぱり恥ずかしかっただけなんだと分かってくれて。私は思わず否定しそうになっちゃったけど、それじゃあ今までと同じになっちゃうよね?ちゃんと素直にならなくちゃ!
そう決意して私が本心で話すと守君も嬉しいって言ってくれました。それだけで私もまた嬉しくなります。…やっぱり、こういうのってなんかいいですね!
次の更新予定
2025年1月10日 15:00
クラスメイトが理不尽に振られる場面を目撃した俺、慰めたらすごく懐かれた。〜〜なお、振った彼は後悔しているがもう遅い。彼女は俺の横で幸せにするので〜〜 零 @cowardscuz
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