日常を電脳的に見る男の話
千織
ボクのセカイ
シグナルはやってくる
日常の風景の隙間 音と音の間 急に香る花 目に飛び込んで来る数字 ピックアップされるセリフ 脈略のない会話 伸び縮みする時間 見つからない失せ物 口に出さずにはいられない思い出 意味のわからないリズム 隣に座った人
毎秒 凄まじい勢いで計算は進んでいく
かかとから着地して 足の側面を経由して 小指がとらえて 親指が蹴り出す
えぐられる地面 かき出された砂
小石は軌道を描いて 1セントもズレないシの音で弾かれた
全てのものに 必要な時間が
全てのものに 必要な色が
全てのものに 必要な手間が
全てのものに 必要な蹂躙が
風が吹いて 虫が舞って ツバメが一斉に軒から滑降する
完璧な予兆
完璧な連動
完璧な瞬間
現れて 集まって 明滅して 散っていく
自発して 想起して 躍動して 移ろう
指先の境界線はゆらめいて
あなたの空間に溶けていってしまった
日常を電脳的に見る男の話 千織 @katokaikou
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