妹をツンデレだと勘違いしてるシスコン兄vsほんとうに嫌いな妹

三角形MGS

妹をツンデレだと勘違いしてるシスコン兄vsほんとうに嫌いな妹

 ツンデレは、特定の人間関係において敵対的な態度と過度に好意的な態度の二つの性質を持つ様子、またはそうした人物を指す。(Wikipediaより引用)




















 俺には妹が居る。かわいい妹が。

  

 しっかりとお手入れされた黒い長髪に、パッチリお目目、ふっくらな可愛らしい唇で、平均より少し小さい身長という見た目が俺のストライクゾーンど真ん中である。

 100人中100人の俺が振り返る最高の見た目をしてるね。

 

 そんな妹が、


 「おにいちゃん嫌い」


 ツンデレに目覚めたのだ!

 

 ツンデレ属性をこよなく愛する俺にとってはテン上げ不可避のパーティ案件。

 最高の妹に大好物のツンデレが合わさったら最強だよねって話。

 やばいね、死人がでるよ。


 早計だろ勘違いすんなボケ、という人もいるだろう。

 でも、俺には断言できる。これはほんとうに嫌っているのではなく素直になれなくて、ツンとした態度をとってしまっていると。


 だって理由もなく嫌うなんてこと、普通ないもんね! 俺何もしてないし。

 妹に対しての言動は注意しているし。


「あたしのプリン食べたよね」

 

 早計だったかもしれない。


 ついさっき冷蔵庫にあったドデカいプリン食ったけど、まさかあれが我が妹の物だったとは。


 これはまずい、非常にまずいのでは? 

 いや、でも待てよ……? 

 ツンデレならここで、腕くんでプイっとそっぽを向いているはずだ。

 お兄ちゃんがあたしのプリン食べた! つって。


「……」(腕を組んでこちらを睨んでいる様子)


 あ! あ! ツンデレしてますよ! 

 ツンデレ警察の僕に言わせればこれはツンデレです。

 睨まれているけど、許容範囲です。

 むしろご褒美っていうか?


「ねえ、聞いてるの?」

「もちろん聞いておりますとも、マイエンジェル」

「キモ。その呼び方やめて」

 

 キモ、いただきました。ありがとうございます。

 妹ちゃん、罵倒になれていないのか小学生みたいなワードしか出てこないのかわいいね。

 でも、いろんな観点から罵倒して欲しいなぁ。

 あ、これを機に妹と国語の勉強をするというのはどうだろうか。

 我、天才なのでは。


「妹ちゃん、一緒に国語の勉強しよっか」

「なんでよ、謝ったら許してあげようと思ったのに。もうしらないっ」

「そんな、待ってくれマイハニー!」

「しね!」

 

 怒ってリビングから出ていっちゃって


 でもやっぱり妹、かあいいなぁ。


○●○●○


 わたしには兄がいる。それもシスコンの。


 本人は無意識にしてるみたいだけど、わたしのことをよくジッと見つめてくる。

 なんかお兄ちゃんの視線ってネチョネチョしてて気持ち悪いんだよね。


 あれ学校でもやってるのかな。

 だったら引くわ。

 一度警察にでも自首しに行ったほうがいいと思う。

 今度から履歴書の住所の欄に刑務所って書いてけよ、バーカ、アホ。


 というか見た目はお父さんと結構にてるのに、どうして性格はあんなに真反対なんだろう。

 お父さん、あんなにかっこよくて優しいのに。いや、比べるのも烏滸がましい。


 つーかあのバカ、わたしのプリン食べやがったし。

 せっかく楽しみにとっておいたのに。

 わざわざ誰にも取られないように、冷蔵庫の奥深くに隠して置いたのに。

 見つけやがってほんとに許さない。


 それに何あの態度。

 全く反省してないじゃんむかつく。

 謝ろうともしないしさ。

 なんなのまじで。

 汚物以下だよあの人。

 もうダメ無理。


 はぁ、もっといいおにいちゃんがよかったな。



 


「こうしてお兄ちゃんは妹に二度と口を聞いてくれなくなり、なんやかんや色々あって、仲間の裏切りによって首に縄をかけることになりました。おーしーまい」

「いいおはなしだったね、おかーさん」

「そうでしょう」

「あたしもこんなくそぼけかすお兄ちゃんみたいな人間にならないようにするね!」

「うふふ、頑張ってね」


おーしーまい♪

 

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