ヒヨコとヒナ
古 散太
ヒヨコとヒナ
ちいさな雲がちらほらと泳ぐ
どこまでも広がる青い空の下
遠くから色とりどりの笑う声
だんだんこちらに向かってる
部屋の窓際に立ち見てみると
色とりどりの帽子をかぶった
色とりどりの笑顔の子供たち
色とりどりのヒヨコのようだ
そのうしろからお散歩カート
初めて世界を見ているような
どんぐりまなこを輝かせてる
ヒヨコよりも小さなヒナたち
それぞれの笑顔とおしゃべり
それぞれの発見とおともだち
ぼくはいつの間にあのころを
忘れていったのだろうと思う
世界はもっと大きかったはず
世界はもっと楽しかったはず
世界はもっと寛容だったはず
世界はもっと愛に満ちていた
だれもが他人の目を気にして
背中を丸めてキョロキョロと
まわりに気を配っていないと
生きていけないような世の中
でもあのヒナとヒヨコたちが
立派に成長するころまでには
ぼくたちは大きくて楽しくて
すべてに寛容で愛に満ちてる
そんな世界を創っておきたい
そんなことをふと考えながら
窓際から離れてこの詩を書く
ヒヨコとヒナ 古 散太 @santafull
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