兵庫 須磨海岸
◇◇◇朗読部門 優秀賞◇◇◇
須磨には邪悪なモノたちが集まってくる。
『棲魔の海辺』
著者=烏目浩輔
◇◇◇
☆☆☆講評☆☆☆
海、とりわけ水辺に近づくのが怖くなる作品です。
不用意に近づくべきではないと設定されている場所である、海の水辺で起きる不気味な世界観に、波のように惹きこまれました。☆☆☆
まずは、言いたい!
この作品、すっごく怖くて、好きなのです。
読みながら「キャーッ」ってなる。
そして。
「おねーちゃーんっ!!」
って叫びたくなるぅー!!!(笑)
とにかくホラーとして良い。
小説としてそのまま読んでも、素直に「いいな」と思える作品なんですが。
これもやっぱり、脳内音声化機能をONにして読むと、この作品が受賞した理由が明確になるような気がします。
すなわち。
これはSARFさんのアーティスト魂に火をつけるような作品なんじゃなかろうか?
と。
海辺。
季節は夏。
幸福な時間の隙間にできる、はしゃぎ疲れて物憂い感じ。
蜃気楼を思わせるような、揺らぎがあって。
その揺らぐ感じは、波のリズムと重なる。
どことなく眩暈を感じるような読み心地。
不気味で、幻想的。独特な雰囲気が魅力的だなあ、と思いました。
そのムードを踏まえつつ。
浜辺の砂を踏む音。
波の音。
誘惑する声。
水の外の音。
水の中の音。
頭の中で演出したら。
あー、こりゃあ、AR音声当ててみたくてムラムラ(?)するわー。
激しく納得いたしました。
だって。
講評も「波のように惹きこまれ」たって言ってるものね。
こういう、イメージを誘発するような作品。
書こうと思ってもなかなか書けるものでもないんじゃないかしらん。
センスがいい! 思っております!
実はこの作品の作者、本作『棲魔の海辺』ともう1作品『大阪城ではたくさんの人が死にはった。昔に何度か戦さがあったさかいに。』でも優秀賞を受賞されています。
今回の「SARF×カクヨム 短編こわ~い話コンテスト」で2作品の受賞作を出したのは鳥目浩輔さん、ただひとり。
しかも全然タイプが違う作品なんですよ!
それだけ安定して作品を書ける力量がある書き手だということですよねー。
凄いですー。
この実力、しかと見よ。
そして、一緒に「おねーちゃーん!」って叫んで!?↓↓↓
『棲魔の海辺』
烏目浩輔
https://kakuyomu.jp/works/16818093073782720053/episodes/16818093073783232703
あれ。
今回はキャーキャー言って終わっちゃった? かな?
いや、でも、この作品に関しては講評さんも「不気味な世界観に惹きこまれました」としか言ってないのよ。
それだけホラーとして魅力的で、その小説としての価値が他のあれこれを上回ったってことだろうと、私は読んだよ。
そういえばこの作品も、前回の『ウチデノコズチ』と同じでAR音声について言及していない作品でしたね。
しかも、同じ兵庫県のお話でした。
まあっ、気がついてなかったけど、いちおー連動してたのね?
うちのくじ引きちゃんたら、いい仕事してたわー(笑)
というわけで。
それでは恒例のくじ引きタイムとまいりましょう。
じゃんじゃかじゃーん、とな。
はい、出ましたー。
~次に訪問する名店~
『鬼怒川温泉物語』
和泉
次回もひきつづき朗読部門の名店です。
でも、だいぶ読みどころが違うんですよー。
うん、うん。いい作品がきたね。
どーぞ、お楽しみにー
更新予定は8月14日22時でーす!
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