大盤振る舞いのコンテストでした
前回は、
「拙作がめでたくも優秀賞をいただいた「SARF×カクヨム 短編こわ~い話コンテスト」について考察するよ。だって、入賞できるって思ってなかったからビックリしちゃったんだもん!」
というお話をしました。
じゃあどんなのが本コンテストの
大賞を取った七倉イルカさんの『群馬県 伊香保温泉石段街での怪異』、これですよ!
読んで、私は叫んだもんね。
「あー!! これが模範解答だー(*≧∇≦)ノ」
って。
とりあえず、この作品に関しては「黙って読め」と言いたい。
すべてのお題をクリアして、話の軸になる小道具にさえ地域性がある。出てくる大人がカッコいいから主人公である子供の子供らしさが明確に映る。物語として全体にきちんとまとまっていて、ひとつの冒険をした満足感がある。なにより楽しい。
パーフェクトじゃねーか、ちくしょー、すげーぜ。私ごときがアレコレ言うなどおこがましい。
文句ないよ、こりゃ大賞だ!!!
読むべし!↓↓↓
https://kakuyomu.jp/works/16818023214227709202/episodes/16818023214228079666
……しかし、です。
優等生ならざる私には、こんなパーフェクトな作品は書けなかったわけです。
じゃあ、なんで優秀賞を受賞できたのか?
そうは言っても、ひとつ思い当たることはあって。
それは応募総数。
合計339作品。
この数字、カクヨムのコンテスト的にはかなり少ないと思いません?
いや、長編とかなら、準備に時間がかかるぶん、応募総数がこれより低くなることもあると思うんだ。
けど、これ、6000字以下の短編のコンテストなわけで。
準備に1週間もあれば、このサイズの話なら仕上げられる、って書き手はカクヨムにはウヨウヨしてると思うんだよね。
そう考えると、やっぱり応募総数が少ない気がするんです。
そして。
母数が少なければ、当然、入選確率は上がるのですよ。
しかも大賞1作品、優秀賞は20作品もある。
なんと、大盤振る舞い。
これ、このコンテストの特徴のひとつだと思います。
大賞についてはとりあえず別格としまして。
優秀賞を20作品は、やっぱり破格の入賞本数です。
今回は、ザックリ計算で応募作の上位6%強のラインで優秀賞の受賞が可能だった、という感じじゃないかなーと思います。
もちろんそれでもスゴイはスゴイんだけど。
受賞できるのは上位0.1%未満なんてコンクールはザラなので、それに比べれば全然いけそうな気がするというか、リアリティのある数字なのかなあと思いました。
参考までに。
いわゆる人気資格試験の合格率をググってみたよ。
税理士合格率20.1% 宅建合格率17.2% 一級建築士9.9% 社会保険労務士合格率6.4%。いずれも2023年のデータです。
ついでに。
年末ジャンボ宝くじで5等(1万円)が当たる確率が10%、4等(5万円)が5%らしい。
そんなこんなを比べてみると。
結構たいへんはたいへんだけど。
これまで培ってきた力を発揮できた、あるいは、ウルトララッキー!! だったらイケそう。
って、ラインだったのかな? と思います。
とか言って、年末ジャンボ、6等より上、当てたことないけどなー(笑)
締め切り後の応募総数を見て。
ぶっちゃけ私も、こりゃワンチャンありか? と思ったことは確か。
たぶん同じ印象を持った方、ほかにもいらっしゃるはず。
もっとも、私の場合。
でもなー。
子供向きじゃないから、やっぱ、ダメなんだろーなー。
と、ね。
前回も言ったけどさ。フタを開けるまでは、そう思ってたのですよ。
たぶんね。
そもそもの、この応募総数の低さ。
子供を対象にしなくちゃいけない! と皆が委縮した結果だと思うんだよね。
特に普段ホラーを書いてる人ほどその傾向は強かったんじゃないかな。
なんとなく。
だって、カクヨム界に燦然と輝くホラー書きのお歴々が、応募者のなかに見えないと思ってさ……。
いや、ぜんぜんいないわけじゃないけど、少ない。
でもって、いても元気がない作品が多い気がして。
ホラー短編のコンテストなのに!
余人は知らず、私は寂しい!
きっと主催側も「えー、あの人、応募してくれないんだー」と思っていたかもしれない。わかんないけど。
ちょっと特殊なコンテストだから、小説にしか興味がない書き手だったら、「興味がない」で終わってしまうのかもしれないけど。
各人それぞれスケジュールとかもあるし。
でもさー。
興味はあるけど、オーダーを読んでやめちゃった人も多いような気もするんだ、なんとなく。
聞いてないけど。
想像するに。
「子供向き」のホラーなんて書けないよ!
……って。
本格スパイスが自慢のカレー屋店主が言ったんだよ。
「うち? 甘口カレーは作れないんっすよねー。お子さまには
ってさ。
いや、すみません。言ったのは私です。美味しいカレー屋の店主、そんなこと一言も言ってないっす。
じゃあ、
「甘口で美味しいカレーが作れないか?」
と言ったら、決してそういうわけではない。
けど。
「うちの店はさ、痺れるような辛口がウリなんだぜ?」
って言われちゃったらさー。
私だって、店主の辛口カレーのファンなわけだから。
だよねー、甘口カレーの研究している暇があったら、もっとスパイシーなやつをテンコ盛りで出したいよねー。
と、納得してしまうわけだ。
いや、妄想のなかで言われただけだけど。
問題は。
フタを開けたら、そこそこスパイスも入ってる私のカレーが入賞してたってあたりよね?
しかも私だけが鬼っ子だったのかっていうと、そうでもなさそうで。
普通に怖いホラーをぶつけてきている作品が他にもいくつか入賞している。
そこで、あらためて考えなくちゃいけない。
本コンテストの応募要項にある「子供」に対する向き合い方を。
私も含めて。
間違えていたのかもしれない。
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