第2話 人探しの依頼
入ってきたのは小太りの中年男性だった。
「あの、えっと、依頼をしたいんですけど…あっ、私こういうものです」
【冒険者ランクC カリア・バーン】
ふむ、えっと名刺は…あった。
「どうも、便利屋『ザゼンソウ』のユキ・クローバーです」
そう言って私は名刺を渡した。
「あ、はい、どうも」
なんかすごいなよっとした人だな。
「本日はどのようなご用件で?」
ていっても受けるかはわからないけど。
「あの、姉を探して欲しいのです」
「お姉さんですか?詳しくお聞かせください」
「はい、2日前の話なんですが僕はその日朝7時ぐらいに起きたのですがその時からもうこの手紙を残して姉はいなくなっていたのです」
【さっき何か竜のような魔物が空から森の方に落ちてくるのが見えたのだけれどあの子との繋がりのようなものが微かに感じるの。
だからちょっと見てくるわね。
すぐ帰るわ。】
ふむ、竜のような魔物ねえ。
「あの子というのはお子さんのことでしょうか?」
「はい、姉には今年で15になる娘がいるんですがちょうど10年前に失踪してしまったのです」
つまり5歳の時に失踪したわけか。
「その時は血印の繋がりを使って調べたのですが見つからなかったのです」
血印を使ってもわからないとは相当だな。
ちなみに血印とは子供やペットにつける印であり、その印を通して相手の居場所も知ることができる。
「ん?つまりお姉さんはその失踪したお子さんとの血印の繋がりをその竜に感じたということですか?」
「たぶんそういうことだと思います」
なるほどねえ。
「依頼内容はわかりました。しかしこちらもビジネスですのでそれなりの報酬をいただくことになります。その報酬は—————
「桃竜の情報、ですよね」
ん?あれじゃあこの人こんなよくわかんない報酬を要求してくる便利屋に分かってて入ったの?
「その情報ならあります」
「本当ですか?」
これはよく聞かないとな。
竜探しの便利屋 玉雫 @SWBW
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。竜探しの便利屋の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます