世界が終わった

終末獣によって、世界は終わりを迎えた。


そして、もう誰も悲しまなくても良い。


誰も苦しまないで良い。



この世界で悲しんだり、苦しんだりする必要はもうないのだ。


何故なら…



この世界はもう終わったからだ。


(……………)


そして、エミールは新しい世界の見覚えのある村の片隅で目を覚ました。


そう。まるで…かつてエミールとマーシャがいたあの村のような……



エミールは思った。


全ては…終わった…のか?


この世界は前の世界ではなく…黒幕によって作り変えられた新しい世界なのか…?



………


なら……僕にはやるべきことがある。



……そう。


全ての黒幕である勇者を殺さないと。


いや…違うな。


目の前にいる奴が僕を殺しに来てる時点で…勇者は生きていないか。


世界が滅びた今、あいつらには利害関係はなく、互いに邪魔でしかないからな。


『死ね…!!エミール!!』



そして…僕は起き上がり、今度は僕を消しに来たそいつの魔剣を防いで…言う。



『なあ、あんたが黒幕なんだろ?…魔王さんよ』


『………何故分かった…』


魔王は少しきまりの悪い顔をして、そう言った。

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