私の嘘と君の涙①
私は…死んだのかな?
ちゃんと、マーシャとして死ねたのかな?
ああ。
走馬灯が見える。
走馬灯が私の頭を駆け巡っていく。
この走馬灯は、きっと。
私のお父さんとお母さん…そしてあのロイド・アガルタとの記憶だ。
懐かしいな。
ロイド…
私との君の約束…果たせそうにないよ。
(…………………………)
『あんたなんか大嫌い!!もう絶交してやる!!』
『ふん!!俺もお前のことが嫌いだ!!ちょっとお前のプリンを食べただけでこうなるなんてな!!』
『カス…!!カスう…!!あんたなんか!!あんたなんかァ!!覚えてろお!!』
私の名前はマーシャ・アドミニストレーター。
7歳の女の子でもあり…
町一番の不良少女だ。
優雅に町を歩く私を誰も止めることはできない。
さっきは私のプリンを、私の許可なしに食べやがったクソガキのロイドと絶交してやったところさ。
それにしても…まだあいつコソコソと…しつこいわねえ。あのガキぃ。
『おい!!ロイド・アガルタァ!!!隠れてないで出てきなさい!!!』
ーロイド・アガルタが物陰からでてくる。
『クソっ!なんで分かったァ!!』
『何が目的よ!!このクソガキ!!』
『マーシャ…!俺その…悪かった!!お前のプリン食べて!!』
『ふーん』
『マーシャ?』
私はちょっと感心した。
こいつ…
ちゃんと反省できるのか。
『だから!今度から気をつける!!』
『何を?…ま!私はあんたのこと許すなんてまだ言ってないけど…!!』
『今度からお前にバレないようにこっそり食べる!!』
『…ぁ゙ぁ゙?』
『いや…!だから!!』
『歯ぁ゙食いしばれ』
『え…!ちょま!!うわあぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!』
私は自分が後ろにさげてた杖を、全力でロイドの頭に振り下ろした。
(………………)
それから、私は自分の家に帰ってきた。
『マーシャ。またロイドくんのことをボコボコにしたの?』
私のことを叱ろうとするお母さん。
まあ、確かにあれはやりすぎたかな。
『いや、喧嘩しただけだし』
『にしてもあれはやりすぎでしょ!?マーシャ!!』
確かにそうだ。
ロイドの頭には少し中途半端な大きさのタンコブができてたし。
それに…ロイドもたいしたことやってないのかも知れない。
例えば、私のプリン食べようとしたり、銀行強盗に行こうとしたのを私が必死に止めたり、爆竹を町中で爆発させようとして私が止めようとしたり……
う〜ん。
あのガキ絶交で良いだろ。やっぱ。
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