決戦
ー時は、僕と勇者パーティーの魔法使いと戦士との戦いに戻る。
僕は呪われた右腕の魔力を解き放ち、究極魔法を放つ。
『呪詛序幕"滅式"』
この魔法は、相手の肉体を切り裂く斬撃を六方向に放つ魔法だ。
その魔法斬撃を前に、銀髪の戦士は構える。
『我が剣は主君に捧げる。自己流剣技"波後織り"』
その戦士はその攻撃を剣一本で斬撃を全て防いでみせた。
『この程度か…?エミール・ハーヴェスト』
確かに、これは簡単には行かないな。
僕は再び右腕を剣に持ちかえ、刺客の二人に突っ込んだ。
『単純な突進だな』
『…今だ。マーシャ』
僕が突進しながら僕がマーシャにそう言うと、辺り一面の空気が揺らいだ。
『補助魔法"ツインズ"』
すると、その補助魔法の効果によって、僕の身体は2つに分身し、僕はそのままもう一度究極魔法を放つ。
『呪詛序幕"滅式"』
その近距離で放たれた十二方向の斬撃は奴らの身体を切り裂いた…
『はずだった』
は??
なんであれ食らって、擦り傷程度なんだよ。
ーマーシャの補助魔法による僕の分身の効果はもって10秒。
その効果は既に消えていた。
僕はその戦士によって背中を袈裟斬りされた。
『この僕マルス・エマーソンの魔法の能力は高強度のバリアだ。このバリアは僕だけでなく、別の者も守ることができる。つまり、ナターシャ・メイデイは無事だ。残念だったな。さあ、もう一度死ね』
『ぐわぁああ!!!』
僕は地面に倒れ、切り裂かれた傷を奴の鋼のブーツでグリグリ、と踏みにじられた。
クソオッ。また…!死ぬ!!
『エミール、私は貴方を………理を壊せ。聖魔法"ロストエデン"』
すると、マルス・エマーソンの足が突然止まった。
その隙に、僕は奴の間合いから離れた。
…にしても、何が起こって……
マーシャ…?
マーシャ…!!!
一体何を!!!
『これだけは使いたくなかった。だけど、エミールを死なせたくない。だから…』
『私は今から禁忌を犯す』
途端、マルス・エマーソンが焦りだす。
『クソっ!!やはりあの方の言っていたことは正しかったのか!!!』
あの方…?
勇者のことか?
だが、この術を使っても、マーシャの身体が無事ならこの状況はむしろ好都合だ。
なぜなら、これほどの魔法なら…
奴らのどちらかを殺せる。
『発動』
すると、マーシャの杖からとてつもない出力の原始的な魔力の塊が放出された。
そして、マルス・エマーソンめがけて発射されたその魔法は…
マルス・エマーソンのバリアを全て貫いた。
マルス・エマーソンにはもう打つ手はない。
そして、その魔法はマルス・エマーソンを貫く……
・・・・・
はずだった。
『ナター…シャ…?』
その時、既にナターシャ・メイデイは世界で最も愛していた男を守り、立ちながら死んでいた。
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