第34話「グリフォンとユメみるアサヒ③」

 だらだらとだしなみをととのえると、ワッシーは得意とくいげにっていた。


「やっと目が覚めた! ふたりとも! 朝日あさひくよ!」

「げんきんなものだね」


 レンはあきれました。


こすの、大変たいへんだったのに!」

「まあまあ、レン。ワッシーもちゃんときられたもの。ぐせはすごいけれど」

「ところで、げんきんってなに?」


 ワッシーはくちひらいたまま、くびよこにキョトンとうごかしました。


調子ちょうしがいいなあってことだよ。ちゃっかりしてるからね、ワッシーは」

「ふーん! ぼくわかんない!」

嫌味いやみのつもりでいったわけじゃないよ」

「レン、それでもぎだよ」


 アルブレヒトの言葉に、レンはしょんぼりとみみをたらしました。

 レンのキツネのみみは、前髪まえがみよこまでたれさがっています。尻尾しっぽもだらんとしています。


「ごめんね。ボクもくちわるいから、けるよ」

自分じぶんぎちゃった。ごめんね、レン」

大丈夫だいじょうぶだよ。アルブレヒトはやさしいからね」


 おしゃべりしているうちに、まわりの山々やまやまあかるくいろづいていきます。


「おひさまはどこ?」


 ワッシーがいいました。


「これからえてくるけれど、それよりも山々やまやまがオレンジいろまるの、キレイだとおもわない?」


 アルブレヒトの言葉ことばに、ワッシーはいいました。


「おもう! ねぇあるぶれひと、おひさまのいろは、みかんのいろだ!」

「ふふふ。ワッシーはまたべものもののこと考えてる」


 レンがわらいました。

 レンはたれさががっていたみみをピーンとばすと、両手りょうてうえにあげてびをしました。

 尻尾しっぽもそれにあわせて、ピーンとしています。


「きもちいいね!」


 レンが笑顔えがおでアルブレヒトにかっていいました。

 やっと太陽たいようかおしたころ、まわりはあかるくなっていました。


「うん、きもちいいね」


 アルブレヒトはいいました。

 レンのしろかみが、オレンジいろまっています。


「おなかすいちゃった!」


 ワッシーがいいました。


「あさごはんにしよう!」

べたら、きた目指めざそうね!」

「うん!」



 朝日あさひひかりうつくしく、もりやまうつくしくめあげた。


 まるで、キツネのいろ、オレンジいろだった。



=====


 みんなは あさひが のぼってくるのを みたことはあるかな?


 はやおきしないと みれないよ!



 つづきはまたこんどだよ~! 

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グリフォンとちいさなトモダチ Lesewolf @Lesewolf

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