タイトルに惹かれて読み始めました。「妖精を食べる」という特殊な設定はファンタジックな風味があり、ちょっと耽美で幻想的な雰囲気が魅力に感じられます。
「妖精を食べると年を取らない」という噂を元に、少女たちが妖精を食べる。でも、主人公だけは妖精が昆虫みたいに見えて、気持ち悪いからと抵抗を感じる。
設定もさることながら、主人公の抱く嫌悪感もリアリティに満ちていて、「現実でも昆虫を食べるのが平気な人とダメな人がいるよな……」と、現実と重ね合わせて読むようになります。
そして、そこからの強烈なオチ。激しい衝撃を覚えます。
現代で注目される「昆虫食」とかとオーバーラップする部分もあり、妙に身につまされるような、不思議な味わいと怖さを持った作品でした。
(ちなみに自分は幼少期からイナゴの佃煮を食べさせられて育ったため、昆虫食はあまり抵抗ない方。おかげでダメージMAXでした……)