8つ目 「字分と時」

私「さあはじまりました。AかBか、どっちでSHOW!!」

私「さっそくですが、いちもんめ。Aを選びましょうか」

私「まってください、それってAのことをいっているのでしょうか」

私「はい、Aのことですよ」

私「少し、整理しましょう。Aって全体ですよね」

私「いえ、Aは一部でしょう」

私「そのAだとして、それは一秒前のAと同義ですか」

私「それは、証明しようがないですよ。Aであるのですから」

私「問題は、AかBの問題を選ぶのであって、それは本質ではないですよ」

私「Aの問題はそれはAでしょうかという質問でしたよね」

私「いえ、そのような質問はしていません」

私「いえ、今、質問したのです。それに応えてください」

私「A…。もしかして、AってアルファベットのAですか」

私「私も思いました。AっていろんなAがあるのに、質問にならないですよ」

私「所詮遊びです。Aが本質的ではないと前にも言ったでしょうに」

私「いえ、Aの定義は大切です」

私「話を戻しましょう。AはAですか?」

私「違いますよ、AはAではありません」

私「意味が分かりません。AはAであり、AはAではないのが正解です」

私「正解はないです。最適はあるでしょうが」

私「Aと言った時からAまで、私は七文字かけてAを言いました。今回Aと四回言った中で、同じAはありませんが、私はあります」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「同意」

私「さて、来週はBについて、AかBかどちらでSHOW!! をお送りします。お楽しみに」


生まれてから一秒という目盛りの中で、私はいくつの私と対話したのだろうか。いや、私は存在しないし、私は存在する。いや、そんなことは言い切れない。私は揺らいでいる。





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無題のドキュメント 奴李丘 @kitakaeru_hima

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