スーツクローザー
弓野 和也
第1話Suitを纏うもの(1)
東京都
その理由は交差点の中心を見れば分かる。
誰もいないが何もない訳じゃない。
交差点の中心に突然異形の怪物が現れる。
人と同じ二足二腕、胴体があり首がある。
しかし、人と呼ぶにはあまりにも人とかけ離れた外見。その四肢は昆虫の外骨格の様な固い皮膚で覆われ、その胴からはコウモリの様な翼が生え、その顔は虎のような様相であった。
「…します、緊急避難警報、緊急避難警報。直ちに警察の指示に従い避難して下さい。繰り返します、緊急避難警報、緊急避難…」
数分前から街頭のスピーカーから流れる避難勧告。その指示に従い人々は避難を済ませていたため異形の現れた時には人々に危険はない状況であった。
異形の名はコロナ。その姿は千差万別であれどいくつかの共通した特徴を持つ。
1つ、人と同じ二足歩行であること。
2つ、人と比べ耐久力、俊敏性、攻撃力が高いこと。
3つ、何もない空間の温度が急上昇し始めてから数分でその空間に姿を現すこと。
4つ、熱を操り攻撃を仕掛けて来ること。
その神出鬼没の奇襲性と対処困難な攻撃から人類は劣勢を余儀なくされていた。
コロナは辺りを見回し交差点に人がいないことを確認すると、口にエネルギーを溜め始める。
数秒溜めると周囲の建物に溜めたエネルギーを熱線の様に放ち被弾したコンビニは見るも無惨に溶かされ爆発する。
ブォーン、ボォーン。
そんなときに交差点に突っ込むバイクが一台。
「本部、こちら
バイクに乗り銀色の重厚な金属製のバックパックを背負った青年はヘルメットのインカムで連絡をするとバイクを停める。
現れた青年に向き直りコロナは再びエネルギーを溜め、放とうとするが、その前に青年はショルダーハーネスに付いたボタンを押し込む。
「変身!」
『クロッシング、スーツオブシューター』
機械的な音声と共に背中のバックパックが変形を始め、胴体、腕、脚、そして最後に顔が覆われる。
2020年に突如として現れたコロナに対し、人類は2024年コロナに対抗するためSun unit increase tool通称
そのSuitを纏うものはスーツクローザーと呼ばれる。
変形が終ればそこには銀色のロボットのような鎧を纏いSuitシューターに変身した青年が立っていた。
変身したシューターにコロナはそんなことはお構いなしと再び熱線を放つ。
その熱線に対しシューターは右腕を振るい熱線を打ち払う。
火花が辺りに飛び散るが熱線を打ち払った右腕は傷はなくエネルギーを溜めたように朱色に輝く。その様子を見たコロナは動揺したように数歩後退る。
シューターは背中から銀の拳銃を取り出すとコロナに照準を定める。
何かが来る。その事を察したコロナはシューターに向かって走り出すが、間に合わない。
腕から拳銃へエネルギーが移動し高まる様に
キュイィィィィン
甲高い音が辺りに響く。
「シューターレイ!」
シューターが引き金を引くと同時にエネルギーが1条の光線となって放たれる。
着弾したコロナの胸に朱色が広がり、爆散する。
変身を解除するとSuitは元のバックパックの形に折り畳まれ、シューターの変身者島崎徹斗はバイクに跨がる。
「対象を撃破、帰投します」
徹斗はそのままバイクを走らせその場を去る。
本当に誰もいなくなったはずの交差点に声が響く。
「あぶねー、コンビニ隠れたのは失敗だったな。死ぬかと思ったぜ」
コロナに破壊されたコンビニ。その中から1人の男が出てくる。
その男は熱線で溶かされたコンビニの一部と爆散したコロナの一部を採取する。
「これが最後のピースだ、これで俺も奴らと戦える」
そう呟くと交差点に喧騒が戻る前に誰に見られることもなく男は姿を消した。
ーーーーーあとがきーーーーー
こんにちは皆さん、弓野です。
取りあえず第1話チャプター1まで書きました。こちらの作品、私の頭の中に構想はあるのですが処女作となっておりこの先どうなるかは不透明な部分があります。そして私、私生活で31日まで忙しくて更新できなそうです。だから、取りあえず初めの初めだけあげて皆さんの反応を見ながら続きを書こうかと。良さげならめっちゃ頑張って書きます。普通ならボチボチ書いてきます。誰も見てないと多分失踪します。なので温かく優しく見守っていただけると幸いです。
スーツクローザー 弓野 和也 @yuminokazuya
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