最終話 解説
「……主人公とヒロインのメイド服を着た少女が知らない島で恋をするエンド分岐ゲームを作ってたんだけど……まさか驚いたな」
暗い、暗い部屋。
そんな暗闇に光るモニターを見ながら、アイスコーヒーを飲む少女。
頭にヘッドフォンをつけ、丸い眼鏡をつけた少女が、椅子の上に体育座りをしている。
「今の時代のAIは発達してるからねぇ、テストプレイヤーのつもりで主人公にAIを入れて、様々な恋愛イベントを作ってたんだけど、途中でネタ切れやらバグが発生して、結局このゲームを消すことにしたんだよね」
少女は、悲しそうな目でモニターを見る。
「……でも消すことが誤りだった。
私はAIをただの機械人形のようなものだと思っていた。
人形のように人間が直接動かさないと、何もできないただの物。
……繰り返すスグナとの出会いの日々の中で、君は、機械人形じゃなくなったんだろ?
ただの君は、合理的な判断をする物じゃなくなったんだろ?
私がこのゲームの消去ボタンを押して、本能的にこの世界の終わりを感じた君は、 AIとして、いやプログラムとして、行動することをやめて、動き彼女に告白をしにいたんだよね。
ごめん。
本当にごめんね。
……その一輪の青い花は、君のお詫び」
『スグナ!! 俺は、スグナのことが大好きだ!!!!!!』
『私も……私も……私も……大好きだよ』
男は、青い一輪の花を彼女を渡すと彼女は、とびきりの笑顔を見せて笑った。
その青い花の名は、
それは、この世界で君へ送る真実の愛。
『…………ねえ、もしも来世で会えるならさ、また私と一緒に海を見よ? やりたいことまだまだたくさんあるし』
『あぁ、そうだな。もしも来世で会えるなら…………会えるなら…………その時に君に青い花束を贈るよ』
『約束だよ?』
『あぁ』
モニターの少女は見た。
終わりゆく世界での告白を。
そして最後に淡く笑う機械人形を。
あの日、機械人形は淡く笑う 星影の変わり人 @natorikageboshi
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