05 帰り道
休憩から軽く3時間が経った頃。
そろそろ終バスの時間が近くなっているのもある為店長さんにお先に上がりますと伝えてまたスタッフルームに戻ってきた。
「ふぅ、、飲食店楽しいけどやっぱり疲れるな〜。」
1日しか着ていない制服もほんの少しだけ
ここのご飯の匂いがする気がした。あと、皆が吸ってた煙草の匂い。特に…
「すごい、陽斗くんの匂い」
一緒に休憩入ってたのもある為かすごい匂いが付いてる。これきっと髪にもついてるんだろうなって思いながら私は荷物をまとめた。
「よし、タイムカードは切ってるし、お疲れ様ですーって言って帰ろ。」
また明日から頑張ろう。
そう心に誓って手さげのカバンを取ると同士にスタッフルームのドアが開いた。
「疲れたー。早上がり〜!…お!彩菜じゃん」
「お疲れ様です。陽斗くんも上がりですか?」
「そう!今日は暇だから上がっていいって言われた」
にししっと交換音がつきそうな笑いを私に見せてくる。しばらく話していると、そろそろほんとに間に合わないことに気づき、一言お先に失礼しますといい出ようとした。
「あ、待って」
「、?」
「彩菜終バスだろ。」
「はい。そうですけど、、」
「送ってくから一緒に帰ろ」
「えっ??いいんですか。え、でも家絶対同じ方向じゃないですよね!?」
慌ててざわめく私に、笑顔で大丈夫だって。
そんなことよりこんな時間に女の子置いていけない。俺の運転でもいいなら っていう優しさ全開で伝えてくれた。
お言葉に甘えて良いんだろうか。
まぁ確実にこのままだとタクシーになるし、、うん。ここは甘えとこ。
「…じゃあ、お願いします。」
日付が変わる1時間前。
外は星ひとつもない空だった。
恋のカクテルは。 ラル @mikaminto_
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