story-4-

「席座れー」

おそらく、担任と思われる教師が入ってきた。


「担任のファレノプシス・オーキッドだ、よろしく」


ファレノプシス・オーキッド、この名前を聞いて父が彼のことを褒めていた事を思い出した。


(優秀な人、なのね…)

「気になることも多いと思うが、まずは自己紹介をしようと思う!」


(自己紹介ねぇ〜)

新しいコミュニティに入るとほとんどの場合行われる、自己紹介。


ただ、苦手な人も多い様で、クラスでは少し重い空気を感じた。


「まずは俺から自己紹介をする!その後は、登録番号順でする」

(登録番号の順なら、私は早そうね)


姉が教えてくれた、登録番号の仕組みを思い出す。


ラリューリアの姉は、登録番号が魔力の量や能力アビルの強さ、上層部の期待度などで決められると言っていた。


(ほ、ほぼ確で私が一番最初じゃない!)

「次は…ラリューリアだな、よろしく」


(あの人の名前はたしか…)

ラリューリアがクラスメイトの名前を思い出し、家柄などから登録番号を割出そうとしていた。


だが、割出そうとしている間にファレノプシスは自己紹介を終えていた。


(やっぱり私じゃない!)

ラリューリアは急いで席から立ち、自己紹介をし始めた。


「ラリューリア・ネリュです。一応貴族ではありますが、ここでは、皆様と同じ立場で学びたいと思っています」

なるべく周りを見渡す様に話す。


ほとんどの人が私の家のことを知っているらしく、まぁそうだよな、と言った顔をしている。


「ですので、気兼ねなく話しかけて欲しいです。よろしくお願いいたします」


言おうと思っていた事が終わると席に座った。

クラスメイトが拍手をしてくれていて、少し安心する。


(次は…)

「次!翼よろしく」


(日本から来た人…日本人!どんなものなのかしら)


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私は、あいを知りたいらしい 星揺 @_hoshi_yu_r

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