これは少しだけ未来のお話。
戦争、環境破壊、異常気象。地球上の人類が住める場所は日々減っていました。そんななか、地球によく似た環境の惑星が見つかります。その名も惑星ムゲン。ただ、その惑星の大気は大人には毒。
そのため、その惑星の調査ができるのは子供だけ。
そんな社会情勢のなか。主人公のミノリも、憧れのマロン先輩とおなじ惑星の調査隊員になるべく、サザンクロス探査隊員の訓練生になるのですが――
地球の未来は子供たちの活躍にかかっている!
なんて胸アツな動機でしょう!°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
ミノリや彼女とともに訓練生になる子供たちにとって、サザンクロス探査隊員の隊員は憧れの対象です。
訓練生同士で喧嘩したり、みんなで協力して課題に取り組んだり。息をつく間もないくらい大忙し!
読みながら、ミノリは調査隊員になれるだろうかと、ハラハラ、ドキドキしました!
たいへんすぎて普通の子供なら心が折れちゃうかもという場面もありますが、ミノリにはマロン先輩やはげましあえる友達がいて、彼女は辛い訓練や人間関係をどうにかこうにか切り抜けていきます。
夢のために友人たちと協力し、がんばるミノリを思わず応援したくなるお話です。
訓練を頑張るミノリは、はたしてマロン先輩と肩を並べる調査隊員になれるでしょうか?
物語の結末は、あなたの目で確かめてみてください☆
まずそこにびっくりするじゃないですか。
子どもだけ!?子どもだけで!?
しかも、惑星の探査ですよ。
ちょっとした洞窟探検とかそんなレベルじゃないんですよ。だって惑星だもの。宇宙だもの。
ですがもちろん、理由はあります。なぜ子どもだけなのか、っていう。
てっきりね、ほら、例えば子どもの方が(大人と比べて)身体が小さいから、大人が入り込めないようなところの作業が出来る――みたいなやつかと思ったんですよ。だけど、それなら、小柄な大人だっているわけだし、どうとでもなるじゃないですか。違うんですよ。もっと、どうにもならない理由があったのです。こいつぁ子ども以外絶対無理だぜ、ってやつがさぁ。
ね?
気になるでしょう?
主人公のミノリちゃん同様正隊員を目指す子ども達が共同生活をする寮内では、「あー、あるあるそういうの」的問題が次々勃発。ミノリちゃんはそれらを乗り越えて正隊員になれるのか?!
日記形式で綴られるまさに『大変がいっぱい』の毎日。
彼らのその後もぜひ読みたくなっちゃうSFファンタジーです!
これは未来の物語。
惑星調査を目的として子どもたちが選抜され、隊員になるための訓練をうけます。
え? なんで子どもが訓練うけてるのかって?
調査対象の惑星ムゲンの空気は、子どもしか対応できないからです。大人が吸い込むと毒になるんですね。
そのために選ばれた子どもたちが教育されていくわけです。
ところで、その教育環境ですが。
集団生活なのです。
同じ年ごとの子どもたちが集められ、寝食をともにすればどうなると思います?
いやそりゃあ同じ釜の飯を食う、という言葉もありますが……。
人間関係にまつわるトラブルが出てくるじゃないですか。
そこがとってもリアル。
ずるい子もいれば、自分の正義感だけを信じている子、要領の悪い子もいれば、日和見主義の子もいる。
そんな子どもたちがチームを組み、とあるミッションに参加するのですが、ここでトラブル発生! さあ、ミノリたちはどうするのか⁉
この物語はそれだけではなく、ミノリが尊敬する先輩隊員マロンがいったい誰なのか、という謎解きも含まれています。
まだまだ伏線がはれそうなお話。コンテスト参加作品のために本作はここで終了のようですが、ぜひ続きを読みたいものです!
今よりちょっとだけ……もしかすると何百年後かの未来の話。
人類は、ついに宇宙に進出しました。
とはいえ宇宙は危険がいっぱい。惑星ムゲンという星を見つけたはいいものの、その開拓はまだまだ途中。
というのも、惑星ムゲンの空気は、大人にとっては毒になるのです。
だったら、子どもが開拓プロジェクトに参加すればいいじゃないか!
というわけで結成された、サザンクロス探査隊。そして本作の主人公ミノリちゃんはそんなサザンクロス探査隊に入るのを目指す女の子。
とはいえ、その道のりは順風満帆というわけではありません。
サザンクロス隊員は訓練生になるだけでも厳しいのですが、訓練生になってからもまた厳しい。
読んでいて特に気になったのが、人間関係。
親元を離れて寮生活をすることになるのですが、一緒に頑張る仲間やたらと周りに突っかかってくる子、正体のわからない、だけど憧れの人。
惑星ムゲンは人類にとって未知の世界ですが、まだまだ幼いミノリちゃんにとっては、これらだって十分未知の世界です。
仲間と一緒に笑うこともあれば、辛い言葉に怒ったり傷ついたりすることもある。
色んな人と繋がって、見事正隊員になることはできるでしょうか?
人類が宇宙に進出した、未来の世界を舞台としたお話。
惑星調査を目的としたサザンクロス探査隊員になるのを夢見て、訓練生になった小学6年生の女の子、ミノリちゃん。
同じ訓練生たちと一緒に、今日も夢に向かってがんばる……はずが。
成績が伸び悩んだり、仲間であるはずの訓練生から怒られたり。
だけど上手くいかないことは多くても、ネガティブな感じになりすぎないのが、このお話のいいところ。
正隊員になるべく前向きにがんばるミノリちゃんから、読んでて元気をもらいました。
角川つばさ文庫小説賞用に書かれたお話ですけど、児童書でSFは結構珍しいですよね。
夢は正隊員。目指せ惑星開拓。
宇宙を目指す子供たちの奮闘がしっかり描かれていて、児童書に新しい風を吹かせてくれそうです。