404-Not found
まえがきとか注意事項とか-
このエピソードには不謹慎な要素、自殺に関する内容があります。
それらが苦手な方などは、このエピソードをお読みになる事を中断することを推奨いたします。
――――――
「わお…高いなぁ…」
街灯やビルの灯りが目に刺さるような中心部から少し外れて、もう殆ど誰も使われいない15階建てのビルの屋上、柵を乗り越え、建物の端に足を掛けて立ってみる。
ここに来た理由?そんなのは単純明快。『死ぬ』っていう感覚が、どんなものなのかを知りに来ただけ。
…あー、ちょっと訂正。厳密に言うと『あ、もう自分は死ぬんだ…』っていう感覚かな。
なんでも、死ぬ瞬間には周りの時間がゆっくりに見えるんだってさ。面白いよね。まあ、そんなことしたとこでどの道死んじゃうことには変わりないんだけどね~。
「それにしても、ここに立つだけでも結構怖いなぁ~」
やっぱり高い所に恐怖を覚えるのは生物としての生存本能なんだろうなぁ~。そりゃ、こんな所から落ちたら死んじゃうし。
不謹慎だけど、自殺した人って本当にすごいなぁ…。
こんな怖さを振り切って行動したんでしょ?それだけ、追い詰められてたのかな?
きっと、誰かがこの状況を見てたらさ、止めにくるか説得してくるよね。
…なぁんにも、分かってないなぁ、やっぱり。
『生きていればいい事がある』なんてさ、分かってるんだよ。
『死んでしまったら、これまでの事が全部台無しになってしまうから』…、それが、何だって言うんだろう?自分の全てを台無しにしたいから、こんな事をしようとしてるのに。
『死んでしまったら悲しむ人がいる』。そう、『死んでしまったら』ね。生きている間、私が生きている事で喜んでくれる人なんていないのにね。
屁理屈、裏返し、なんでもいい。言葉なんて耳障りの言いものを並べておけば大抵どうにかなる。
思考の表面では、『自殺しようとしている人が居たら助ける』そう思っているんだろうけど、実際のところはさ、見て見ぬふりをして追い詰めているのは自分達なんだよねって、面白くない?
他人と自分を分け隔てる要素。それが「見て見ぬふり」。誰も進んで助けようとはしない。追い詰めて追い詰めて、それでもう限界になったら助けに来る。
いやぁ、とんだマッチポンプだよねぇ~。匿名の壁って恐ろしいなぁ。自分が匿名の壁に守られているからって、相手もそれで守られているって勘違いするんだ。
…なんて、もうすぐ死ぬんだし、考えるだけ無駄かなぁ。
「…でもやっぱり怖いなぁ~」
こういう時は思い切りが大事って言うし、思い切って飛び出してみよう。
「せ~~~のっ―――」
建物の縁からジャンプして、空中に飛び上がる。上へと進む速度が0になって、地面に体が引っ張られていく。
…あはっ!あはははははははははははははは!!!!!
これすっごいね!すっごい怖い!面白いくらい怖い!地面に引っ張られて、段々地面が近づいて来て…体に当たる風がだんだん強くなって…!すごいや!本当に周りがゆっくりに見える!
これって本当に現実なのかな!?なんか色々見えてきた!これが走馬灯っていうやつなのかな!?
■
…いつから、おかしくなったんだっけな、私。…小学生まではまともだったと思うんだけどなぁ~。
それから…あぁ、家族が全員殺されちゃったんだっけ。そこからだったかなぁ~、私がおかしくなっちゃったのって。
なんか、もう面白ければそれでいいやってなって…、人の命も、自分が楽しければ平気で奪ってたっけなぁ~。別に後悔はしてないけどさ。
色んな事もやってみたけど、今一つどれもピンと来なかったんだよねぇ~。
例えば?…う~ん、そうだなぁ。普通に学校に行ってみたりとか…、学校に行かなかったりとか。
あ、でも学校サボってカラオケに行くのはちょっと楽しかったかも。皆が学校で授業受けてる中で3時間くらい熱唱するのは楽しかったかも。
あとは~、うーん、そうだなぁ…。暗殺者とかね。
人を殺して快楽を覚えるらしい人もいるけど、私は特に何とも思わなかったかも。一仕事終えたらしばしば手が血生臭い臭いになるのはちょぉっといただけなかったけどね~。手袋しててもたまに貫通してくるんだなこれが。
まあそれなら即効性の毒とかつかえってお話しなんだけどね、まあ毒って大体接種方法が口からの摂取か注射しかないでしょ?
注射器持ってその辺うろついてたら職質されると1発アウトだよね。流石に冤罪で捕まるのは御免だし。刃物ならまあ、隠し通せない事も無いからね。巧妙に隠して堂々としていれば意外と見つからなかったりする。
あとは普通にコンビニバイトとか。
思いの外大変なんだよね、レジ打ちとか品出しとかさ。しかもいつレジにお客様が来るかも分からないから結構気を遣ってないと駄目だし。
人手が少ない日にはもう…。
あと態度が悪い人を見るとちょっと手が出そうになっちゃう。暗殺者の件もあって、やろうと思えば素手でも
っていうか本当にすごいねこれ。落ちる間にこんなに思考できるなんて。今思い返してみると、特別楽しい事もなく、大切なものを失ってばっかりの人生だったかもね~。ま、もう今更だけど。
…あ、もう地面?…えー、もう終わり~?もーちょっと楽し―――。
――――――――
作者's つぶやき:さて、今回の主人公は支那東海さんでした。冰月さんは…まあ、またの機会に。
あ、以上です。
ちょっと不謹慎要素が濃すぎましたかね…反省しています。
――――――――
よろしければ、応援のハートマークと応援コメントをポチッと、よろしくお願いします!
SS・2、3話完結短編集【投稿ハイパー不定期】 ますぱにーず/ユース @uminori00
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。SS・2、3話完結短編集【投稿ハイパー不定期】の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます